拳が握る明日~ネタバレあり~

2 月 23rd, 2010

 兄と弟……それまでの兄弟ゲンカでも本気で殴ることがなかった兄とそれでも太刀打ち出来なかった弟との力の差は歴然!
「知ったことか」と殴りかかる弟を、ついに兄は本気で殴るのです。

※以下の内容は、週刊少年サンデー2010年12号の内容を含みます

 その一撃は金剛番長の巨体を打ち上げ、衛星軌道にまで運ぶほど。
 秒速7.7kmに達するボディアッパーの衝撃は、その余波だけで東京を破壊するに足るものです。
 そんな衝撃波でも沈没しない辺り……頑丈だな、日本。
 とはいえ、戦場と化した東京の被害は甚大。核攻撃を受けたのではないのか、と思わせるほどですが、念仏番長はそんな破壊の渦から磊を守りつつ、瓦礫の下に埋もれたはずの剛力番長を探します。
 素手で瓦礫を掘り返し、戦友を呼ぶ声を枯らす念仏番長―― その頭上にビルが降りかかる。
 逃げ場はなく、日本番長の拳から金剛番長を守るために限界を突破したこともあり、もはや喝撃も使えない。いえ、たとえ喝撃を使えたとしてもどうしようもない程の大質量に迫られ、念仏番長が死を覚悟したその時……救いの斬撃が落ちかかるビルを細切れに斬り落としました。
 脚に傷を負った居合番長を乗せ、番長バイクを駆る卑怯番長、そして、間一髪で二人に救われた剛力番長の姿に、漢泣きに泣き、自分同様ボロボロに傷ついた仲間の身体を掻き抱く念仏番長。
 再び揃った番長同盟を最早邪魔するものは何もない!漢達は迷うことなく金剛番長の力となるべく戦場へと向かうのです。
 しかし、その戦場では衛星軌道上まで吹き飛ばされた金剛番長が流星のように地面に叩きつけられていました。
 本気で丈夫だな日本。
 そんな丈夫な日本……そして世界を直接、じっくり破壊するべく踵を返す日本番長の足首を、決して諦めることない金剛番長は掴むのですが、ボロボロでもなお諦めることなく食い下がる金剛番長の腕を掴むと、日本番長は何度となく地面に叩きつけ、実際にボロ雑巾のように扱うのです。
 何故お前はこの腐れた世界を守ろうとする。何の義理があって守ろうとする!!?答えろ、金剛番長!!!
 その問いに、意識を喪いかけながらも拳で答える金剛番長!
「明日… 明日だ!!!
 明日などただの時間の流れに過ぎない。貴様が死のうが、俺が死のうが関係なくやってくるもの。ましてや、これから死ぬやつが明日を守ってどうなると言う?
 胸板に打舞流叛魔を受けつつも、構うことなく無慈悲に、そして無造作に金剛番長を押さえ込み、明日を守るなどという愚かな答えごと踏み潰す日本番長!
 しかし、日本番長は金剛番長の答えの意味を取り違えていました。
 俺が明日を守るんじゃねえ。明日が俺に力を与え、仲間とともに歩むために前に衝き動かしてくれる。
 それがあんたはどうだ日本番長?あんたの明日には何がある?

 その言葉に自らの描く明日を省みる日本番長。
 そこにあるのは漆黒の闇。
 何もない絶望的な暗黒。

 その空虚な黒を切り裂いて、光ある拳がついに日本番長を撃ち抜きます!
 それまでの拳とは一味も二味も違うその重く、鋭い一撃で日本番長を吹き飛ばした金剛番長は、初めて見下ろした兄に向けて言い放ちます。
「見せてやるぜ……俺たちの明日を!!」
 過去を憎み、未来を呪い、ともに歩む者を拒んだあんたの拳には、何も握られちゃいない!兄貴……あんたの拳は空っぽなんだよ!!
 今こそ俺の力を……俺達の力を見せてやる!
 突き出した拳に握られたのは明日への希望と仲間の熱き魂。
 この戦いのその先にある未来へと向けられたその拳は何より力強く、重いものなのでありました!!
 

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