先日、ある自主トレ参加者(以下Cさん)より相談を受けた。
相談内容は、現在自主トレの他に某スクールにも通っているが、
自主トレの課題が多いし、後期もスクールを続けるべきかというものだった。
『今のわたしに何が足りなくて何が必要かshrimpさんには見えていると
思いますので、率直な意見を聞かせてもらえたら助かります。』ということで、
まず私はスクールではどのような授業をしているのかを聴いてみたのだが、
率直に言って、アウトプットに主眼を置いた非常に素晴らしい授業のようだ。
私もお金と時間があったらその授業を受けてみたいと思ったくらい素晴らしい。
私はその場では良いアドバイスが思いつかなかったので、
後日メールでアドバイスすることを約束した。
その後メールをお届けしたのだが、
このアドバイスは他の大勢の学習者にも有効かもしれないと考え、
Cさんの了解を得た上で下に貼り付けることにした。
↓↓↓↓
実は私もその後色々考えて、同じ事(※スクールを休むこと)を考えていました。
確かにそのスクールのレッスンは大変魅力的ではあるのですが、
あれはアウトプットの訓練で、Cさんはその前に大量のインプットをした方が良いと思います。
数年前の自主トレの参加者に一般のスクールのレッスンと
自主トレとの違いを聞いたことがあるのですが、
スクールではとにかくアウトプットさせようとするが、そもそもインプットが足りないために、
アウトプットしようにもアウトプットするものがなく、それで伸びなかったとのことでした。
一方自主トレは対話の暗唱や大量の音読によるインプットと
疑似アウトプットで喋れるようになるとのことでした。
実際、参加当初は中検3級レベルだったある参加者は、
自主トレに参加して10ヶ月目にはHSK8級を取得し、
中国から来た同業者の訪日団のアテンドを任されるまでになっていました。
また、私個人の経験から言っても、少なくとも日本で中国語を学ぶ場合は、
大量にインプットして、HSK8級レベルの中国語力(=強力な基礎力)を
つけないと、カタコトで話すのも大変なのです。
現地に留学すれば、HSK5級程度でもカタコトの中国語で何とか
コミュニケーションを成立させることができますが、国内で勉強している人だと、
HSK5~6級、或いは中検2級程度ではカタコトすら厳しいのです。
私が大学3年の秋にHSK8級を取ったときもまだカタコトで、
中国語を話すのに相当苦労していました。
私の経験から言って、1年間留学した学習者の語彙力は、
ごく一部の優秀な人を除いて、せいぜい2000語程度しかありませんが、
彼らはそのたった2000語程度の貧弱な語彙をフル活用して、
あるいは無理矢理並べたり、こじつけたりして、
何とか日常会話を成立させています。
かなりブロークンな中国語(らしきもの)で、
実際は相手に相当の負担を掛けており、
ビジネスや通訳をするにはほど遠いのですが…。
(もし我々の日本語の語彙が2000語だったら、
まともな会話も出来ないし、テレビを見ても詰まらないでしょう。)
日本でずっと学習してきた人はそのようなテクニック(?)、
或いはまやかしの術は持っていないので、
それはある意味において良いことなのですが、
最低でも3000語、できれば5000語レベルの語彙力や
強力な文法や文型の運用力があって初めてカタコトでネイティブと会話できます。
ですから、まずは自主トレの大量インプットと疑似アウトプットで
HSK8級レベルの中国語力(=強力な基礎力)を身に付けた上で、
そのスクールに戻ってアウトプットの訓練をし、
知識を運用力に昇華させるのが宜しいかと思います。
もしかしたら、「なんであなたはHSK8級を持っているのに喋れないの?」
という人がいるかも知れませんが、それは違います。
国内学習者はHSK8級レベルに達してからじゃないと
(=基礎力を完成させないと)、カタコトも話せないのです。
日本に来てから日本語をマスターしたネイティブ教師や、
留学経験者はこのことを理解していません。
もちろん、HSK8級の為の試験対策などをする必要はありません。
それをやってしまうと、本当に「資格はあるけど全く話せない人」になってしまいます。
結果的に資格がついてくるような総合的な学習をすればよいのです。
総合的な学習とは“听说读写译”の5つの分野(要素)を伸ばすことです。
自主トレでは“说读写译”をカバーしていますし、(ただし、“说”は擬似的なもの)
“听”に関しては「聴写専科」や「聴写+和訳」をご用意しております。
まずは来春まではインプットに専念して、3000語以上の語彙獲得を目指し、
その後、スクールでアウトプットの訓練をするのが宜しいかと思います。