順序を間違って彷徨う学習者が多いので、ひとつアドバイスをしたいと思う。
ちょっと真剣に中国語をやっている人なら、学習が進めば中検2級に合格できる。
しかし、多くの学習者はその後いきなり中検準1級に無謀にも挑戦し、玉砕する。
私に言わせると、2級に受かってすぐ準1級に挑戦するのはあまりに飛躍がありすぎる。
中検2級合格者でまだHSKを受験していなかったら、次はHSKを受験して、
「基礎力の完成」を保証する(と私が勝手に定義している)HSK8級を目指すべきだ。
HSK8級に合格しないうちは(=基礎力が未完成のうちは)準1級は受けない方が良い。
留学経験者を見ていて順序を間違えていると思うのは、
留学から帰るとすぐに通訳養成学校に通う点だ。
中にはHSK8級にすら合格していないのに、通っている人もいる。
基礎力も完成していないのに、一体何をどう通訳するというのだろうか?
自分のことすらまだ満足に語れないのに、何を通訳するのだろう?
もちろん、そんな通訳を云々するレベルにない学習者を入学させて
高額な授業料を払わせる通訳養成学校の罪は非常に重いが、
需要がある以上、ビジネスをするのは企業として当然かもしれない。
だから、学習者の方が賢くならなくてはならない。
順序としては、まず中検準1級か通訳案内士試験に合格するのが先だ。
最低でもそれくらいのレベルがないと、通訳養成学校に通う意味がない。
通訳養成学校では中国語は教えない。教えるのは通訳技術だ。
ところが中国語の基礎力のない人が通訳技術を学んでいるのだから、何とも滑稽だ。
1~2年留学すると自動的に上級クラスまで進んでしまい、
自分の中国語力を見誤ってしまう。
「帰国して中検を受ければ、少なくとも準1級には受かるだろう」とか、
「今の中国語力をキープするためには通訳養成学校しかない」と考えてしまう、
実は全く根拠がないし、キープするに値する中国語力もないのだが…。
通訳養成学校に何年も通って(=莫大な投資をして)やっと準1級に受かった人や、
通訳ガイド試験に受かった人を何人も知っているし、
未だに受かっていない人も何人も知っている。
余程の金持ちではない限り、そのような投資は勧めないし、
そんな金があったら、もう一年留学でもして基礎を固めるべきだろう。
それから通訳養成学校に通ったって決して遅くない、むしろ近道と言える。
別に私は辛口なことを言っているわけではない。
通訳養成学校に通っている英語学習者で、英検準1級にすら受かっていない人がいるだろうか?
まずいないだろうし、そもそも、そんな英語力では入学試験で落とされてしまう。
私は何年も前に某通訳養成学校の入学試験を受けたことがあるが、
何と本科のさらに上のクラスに合格してしまった。
念のために書いておくが、私は職業として通訳をしたことは一度もないし、
記憶力や瞬発力に乏しく、通訳に全く向いていないタイプの人間だ。
だから通訳になるつもりはなく、それ以前に適正がないのでなれないから、
単に腕試しのつもりで受験したのに、出てきた結果に驚いてしまった。
もし入学を許可されたのが一番下のクラスだったら、
それはまだ中国語の基礎が完成していないということだし、
恐らく中検準1級にも受かっていないだろうから、
そういう学習者は通訳養成学校に通うのは先送りにして、
まずは基礎力を完成させた方が良い。
基礎力と言えば、中検2級に合格するためには成語や慣用表現を学ぶことになるし、
そのような教材も流行っているようだが、それらを学ぶ前に日常会話に頻出する
「ひと言フレーズ(決まり文句)」を学ぶのが先だ。この順序を間違えると、
中検2級に合格したのに簡単なフレーズも喋れない状態に陥ってしまう。
難しい成語や慣用表現は知っているのに、コミュニケーションに必要な
決まり文句を言えないのは、誰がどう考えてもおかしいと言える。
現在、自主トレやオンラインレッスンで発話のための和文中訳練習をしているが、
「行きたい人が行きます」とか、「何とかなるさ」のような至極簡単なフレーズを
留学経験者を含めてほとんどの人が言えなかった。
言えないことを分かった上で、弱点を補強するために私が出題しているのではあるが、
やはりこのようなフレーズを200~300は知らないと、日常会話もできないのが現実だ。
成語や慣用表現を学ぶ前に、「ひと言フレーズ(決まり文句)」をマスターしましょう。