実りの冬!?
Add comment 2 月 10th, 2009
大寒を過ぎてから少し経ちますが、日本で一番寒い時期は、この大寒と立春の間だとされています。厳しい寒さは誰にとっても辛いですが、時にはこの寒さが恵みや智恵をもたらすこともあります。
食品には寒さを味方にしたものが比較的多いようです。凍結を利用した高野豆腐や、唐辛子を雪の上でさらす「雪さらし」などが、日本では特に特徴的かもしれません。そして実は、海外でもこれと全く同じ要領で作られるものがあります。それは「アイスワイン」と呼ばれるワインで、これは、通常冬までに収穫すべき葡萄をそのままにしておき、冬場の凍結によって凝縮させたものだけを使って作ります。収穫が遅い分手間がかかる上、凝縮した果汁が少ししか取れないため希少ですが、非常に糖度が高く芳醇なワインとなります。
寒さは日本の伝統文化にも強く影響を残しています。日本に欠かせない和紙は、その作る工程が、原料である楮(こうぞ)の川での寒ざらし、そして紙漉きと、見るからに冷たそうなので思い起こされる方も多いかもしれません。水温の低い方が、和紙は繊維が絡みやすくなると科学的にも証明されています。しかし、「紙は寒漉きに限る」と言うように、それ以前から人々は経験に基づいて知っていたのでしょう。
そして、何より冬の寒さに適応していると考えられるのはやはり日本古来の着物です。着物は重ね着をして空気の層を何重にも作ることができ、また袖口や首元などで風の通りを調節できるため、気温に応じた格好がしやすいと言われます。寒さに対する工夫は、厚みの出ないような裏地を張ったり、下に着る襦袢の素材を変えたりして行われますが、この見栄えを最大限考慮しつつ暖を取るという発想は、日本の美意識や技術はもとより、寒さという要素があったからこそ発展したのではないかと考えられます。