Archive for 2 月, 2009
2 月 27th, 2009
今週で2月も終わり、来週からはいよいよ3月ですね。月初は各国の中央銀行も大忙しで、通貨の動きにも影響が出てきそうです。主要国では3月3日にオーストラリアとカナダ、3月5日にユーロとイギリスで中央銀行の会議が行われます。
その中でも注目されるのが、3月3日(火)のオーストラリア中央銀行の会議です。会議では経済問題など様々な事が話し合われ、日本時間のお昼12:30にはその結果とオーストラリアの政策金利が発表されます。
ブルームバーグ社は現時点で、現在の政策金利3.25%から0.5%金利を下げて、2.75%にするのではないかとの予想を出しています。各国が景気浮揚のために利下げを行ってきましたが、オーストラリアも昨年から他の国々と同様に金利を下げています。
そこで、ここ数ヶ月のオーストラリアの金利の変動とオーストラリアドル(豪ドル)の動きを見てみますと、金利の発表の日が大きなポイントとなっていることが分ります。昨年11月4日にオーストラリアは金利を6%から5.25%へと下げましたが、豪ドルの動きは10月24日の安値55.13円から11月4日の高値70.53円まで15.4円上昇して、11月20日の56.87円まで下がっています。12月2日にも金利を5.25%から4.25%へと下げましたが、この日の59.66円を起点にして今年1月6日の68.28円へと8.62円上昇しています。1月6日の68.28円から2月2日の安値55.56円まで12.72円下げましたが、同じように、2月3日の金利の発表(4.25%→3.25%)をきっかけに2月6日の62.76円まで7.2円上昇しています。現在はその2月6日の62.76円から大きな動きはありませんが、少し下げて60円前後で動いています。
中国の景気対策(53兆円)は四川復興を皮切りにもう始まっています。資源需要も増え、オーストラリアが産出する資源価格も上昇してきています。3月3日の金利の発表が豪ドル上昇のきっかけになるかもしれません。
2 月 23rd, 2009
立春を迎え、暦の上では春となりました。早くも全国では菜の花が咲き始めた地域もあります。この菜の花ですが、観賞用や食用以外にある分野でも注目を集めているのです。先月30日にはアジアで初となる、アブラナ科の植物から得た燃料での飛行機のフライト実験がされました。通常使用される燃料との違いは見受けられず、今後エンジンに特別な改修・改善を施す必要なしとのことです。アブラナ科より作られるバイオ燃料は非食物系で食糧と競合しない上に二酸化炭素排出量の削減等の効果が見込まれています。
ドイツでは資源枯渇が懸念される化石燃料に頼らずに、温室効果の高い二酸化炭素を抑える化石代換エネルギーとして、菜種油の燃料化計画に積極的です。1998年には、作付面積は100万ヘクタールにもなり、菜種油から精製した燃料を置くスタンドがドイツ全土で800ヵ所も設置されています。このようなドイツの取り組みに触発され、日本に「菜の花プロジェクト」が誕生しました。その試みは滋賀県から始まり、全国の自治体に広がっています。 プロジェクトの第一歩として、1995年3月にテストプラントが設置された町では町内の約0.5ヘクタールの小さな土地に菜の花を植えることから始まり、現在では約25倍に広がりました。搾油した菜種油は各家庭や学校給食で使用され、搾取残渣(ざんさ)である油かすは肥料に、更に利用された菜種油の廃食油も回収され燃料として利用されているのです。また、鮮やかな黄色で満たされた菜の花畑は、高い観光効果までもたらしました。菜の花の特産品は勿論、地元の野菜や果物など元々あった特産品も売れるようになったそうです。
「菜の花プロジェクト」の試みは地球温暖化対策としてだけではなく、地域を元気づける活動と言えます。似たような活動は全国・全世界で行われていますが、大事な事はその活動が身近なことであり、取り組み易く、継続できることではないでしょうか。今回の例は自治体が一体となって取り組むプロジェクトのお手本として興味がもたれるところです。
2 月 20th, 2009
国際線の飛行機に乗るときに、旅客運賃とは別に航空会社に支払う燃油特別付加運賃(通称、燃油サーチャージ)が値下がりしています。そもそも燃油サーチャージとは原油価格高騰に伴い、航空会社の企業努力では吸収しきれない燃料価格の一部を乗客に負担して貰う追加運賃の事です。
燃油サーチャージが航空運賃と別に徴収されるシステムとなっているのは、燃料価格の激しい変動に対応するためですが価格を決めるのは各航空会社ですので、料金は一律ではありません。
運賃に燃油サーチャージを導入したのは2005年からで、この3年で約10倍にはね上がっています。日系航空会社では北米ラインの燃油サーチャージが2008年10月時点では平均66,000円していましたが、現在は平均9,000円と原油価格の下落により落ち着いてきました。また機体ごとの燃費や路線ごとの需給バランスが料金に反映されることもあり、異なる航空会社を使うと燃油サーチャージが往路と復路で大きく違う場合がありますが、これには各国の事情が反映されています。例えば香港では、国策で燃油サーチャージの上限を定めているので、香港の航空会社を使えば日系航空会社に比べると44,000円の燃油サーチャージに対し約1/8の価格の、往復で5000円以内となっています。また産油国のカタール航空会社も燃油サーチャージは他国の航空会社に比べると安くなっています。
燃油サーチャージの価格の基準はシンガポール市場での燃料価格で決まります。直近3カ月の平均をもとに設定され、3カ月ごとに見直されます。もちろん燃料価格が下がれば燃油サーチャージの価格も下がります。現在、航空会社も新型機種を導入して機体そのものを軽量化したり、非食用油での飛行実験をしたりと燃費節減を取り組んでいるようです。現在の円高期で海外に行かれるご予定のある方は有利だと思いますが、航空運賃だけでなく燃油サーチャージの比較をしてみてはいかがでしょうか。
2 月 16th, 2009
バッドバンクとは、「金融機関の不良資産を買い取る専門銀行」です。日本の金融危機時にも見られたことですが、現在米国では銀行が貸し渋りの真っ只中です。銀行にしてみれば、融資の余裕がないことが大きな理由ですが、もう一つ大きな理由があります。それは、不良資産の損失の確定が難しいことです。不良資産になっても、銀行間で取引があるならすぐに損失処理が可能なのですが、住宅ローン証券化商品など価値の毀損した証券類を買い取るような金融機関はありません。そのため価格が決まらず、どの程度不良資産化したのかも分からないのが現状です。これでは優良資産を含めた銀行の資産がどれほどになるのか算出できず、貸し渋る他ありません。「バッドバンク」はこのような不良資産をバランスシートから切り離してしまおうというものです。
1980年代後半、米大手銀行メロンバンクが経営危機に陥った時、当時のカウエット会長が断行、成功した実績があります。設立した「バッドバンク」に不良資産を引き取らせ、銀行のバランスシートを改善、通常業務に注力することで収益を好転させ、メロンバンクは優良銀行に変わりました。ただし、この方式も万能ではありません。不良資産を切り離すことで、銀行が貸し出しを増やし、経済の再生に努めないことには単に銀行のお荷物が消えただけになり、国に訳の分からない不良資産が押しつけられたままになってしまいます。そうなるリスクもあるため、「バッドバンク」の設立に慎重な見方をする人もいるようです。
専門家によりますと、バッドバンクを通じた不良債権処理には約3兆ドルかかるとしており、今回も前回と同様に成功するとは限らないのですが、バランスシート改善のための特効薬になるのは確かです。今は他に有効策がないことを考えると、オバマ政権も受け入れる可能性が高いと考えられます。そして、もしこのバッドバンクがうまく機能し、経済再生が実現すれば、不良資産はやがて優良資産に変わっていくことでしょう。バッドバンクが希望の光となってくれることを望むばかりです。
2 月 13th, 2009
1月22日、香港から成田空港に到着した台湾人男性が税関検査場内で突然倒れ、昏睡状態に陥る事件がありました。その場で行ったインフルエンザの簡易検査で陽性反応が確認され、けいれんなどの特異な症状があったために新型インフルエンザの可能性があるとして、現場は一時隔離されました。しかしその後の精密検査で陰性が確定、覚せい剤入りの袋を大量に飲み込んだことによる中毒症状だったことが判明し、「新型インフルエンザウィルス日本上陸」という事態は免れました。
今年のインフルエンザは例年よりも猛威を振るっており、1月28日時点で「インフルエンザ注意報」を出している保健所地域は197箇所(46都道府県)あり、「警報」を出している保健所地域は328箇所(43都道府県)にもなります。手洗いやうがい、マスクを着用する事で予防が可能ですが、会社規模で考えた場合、加湿器を設置するだけで感染の確率を大幅に下げることができるそうです。
アメリカ暖房冷凍空調学会で行われた「ウィルスと湿度に関する調査」で、湿度50%以下と湿度70%以上でウィルスが活性化する事が判明しています。さらに、室温を含めた調査では室温20度以下ではウィルスの生存率が高まるということも分かっています。また、多湿の状態で室温27度を超えるとカビの繁殖に適してしまうことを踏まえると、「室温20度~25度、湿度50%~60%」という状況がインフルエンザを含めた様々なウィルスに最も効果的な環境といえるのです。これに基づいて実際に加湿器を導入した企業では、従業員が風邪をひく割合は、導入前の31%から25%に減少した例もあるそうです。一人の感染者から集団感染してしまうのがインフルエンザの怖いところですが、ウィルスの特性を把握したうえで予防や対策をすると、より効果が得られるようです。
2 月 10th, 2009
大寒を過ぎてから少し経ちますが、日本で一番寒い時期は、この大寒と立春の間だとされています。厳しい寒さは誰にとっても辛いですが、時にはこの寒さが恵みや智恵をもたらすこともあります。
食品には寒さを味方にしたものが比較的多いようです。凍結を利用した高野豆腐や、唐辛子を雪の上でさらす「雪さらし」などが、日本では特に特徴的かもしれません。そして実は、海外でもこれと全く同じ要領で作られるものがあります。それは「アイスワイン」と呼ばれるワインで、これは、通常冬までに収穫すべき葡萄をそのままにしておき、冬場の凍結によって凝縮させたものだけを使って作ります。収穫が遅い分手間がかかる上、凝縮した果汁が少ししか取れないため希少ですが、非常に糖度が高く芳醇なワインとなります。
寒さは日本の伝統文化にも強く影響を残しています。日本に欠かせない和紙は、その作る工程が、原料である楮(こうぞ)の川での寒ざらし、そして紙漉きと、見るからに冷たそうなので思い起こされる方も多いかもしれません。水温の低い方が、和紙は繊維が絡みやすくなると科学的にも証明されています。しかし、「紙は寒漉きに限る」と言うように、それ以前から人々は経験に基づいて知っていたのでしょう。
そして、何より冬の寒さに適応していると考えられるのはやはり日本古来の着物です。着物は重ね着をして空気の層を何重にも作ることができ、また袖口や首元などで風の通りを調節できるため、気温に応じた格好がしやすいと言われます。寒さに対する工夫は、厚みの出ないような裏地を張ったり、下に着る襦袢の素材を変えたりして行われますが、この見栄えを最大限考慮しつつ暖を取るという発想は、日本の美意識や技術はもとより、寒さという要素があったからこそ発展したのではないかと考えられます。
2 月 2nd, 2009
金融危機や円高に追い打ちをかけられ、自動車業界各社が業績を大きく落としている厳しい状況の中、唯一前年を上回る成績を残した自動車メーカーがあります。
アウディ・ジャパンのベッシュ社長は、アウディにとって08年は「全世界で大成功の一年であった」と述べています。アウディは全世界で前年比4.1%増となる約100万4000台の車両を販売し、15年連続の売上成長を遂げました。全世界で販売実績を伸ばしたアウディですが、特にアジア・太平洋地域での成果は華々しいもので、前年比15.6%増となる約15万5000台を販売しています。
その秘密は、社員教育に力を入れ、顧客満足を常に追求する姿勢が評価されていることにあるようです。それを証拠に、販売店スタッフのトレーニング時間は同業他社の数倍を費やしているとのことです。同時に、販売店には「接客・サービスの評価」での報奨金制度を導入しています。接客態度やサービスの質の評価をあえて点数化し、最大で新車売上額の1%を報奨金として社員に還元しています。点数化するのは「期日の厳守」「継続的なコンタクト」「再修理などの点検」「領収書明細の詳しい説明」の4項目です。そうすることで、スタッフが顧客満足を第一にしたサービスをより積極的に行う環境も整えているのです。もちろん製品の質においても高い評価を得ています。ある車種では一日の生産台数を20台という少量生産に限定し、熟練した職人の手による精密な計測、加工技術によって入念に管理されています。結果、08年は世界で91の賞を受賞し、日本国内でも「あなたが選ぶインポートカー・オブ・ザ・イヤー」を始め多くの賞を総なめしています。
ベッシュ社長は、「2009年は飛躍の年にする。そのためには顧客のニーズにいかに合わせていけるかが大きな鍵だ」と話しています。顧客満足とは最も基本的なことではありますが、ここから目をそらさず、追求し続けた結果が今のアウディにあるように思われます。厳しい経済環境の下、今後もアウディの快進撃が続くのか、真価を問われる年となりそうです。