デジタル製品の命

1 月 30th, 2009


 中国は2002年のWTO加盟から目を見張るばかりの経済成長を続け、北京オリンピックを経てついには世界を揺るがすほどの経済大国となりました。世界中のあらゆる国から企業が進出しており、その資金によって更に発展を続ける中国なのですが、先日驚くべきニュースが流れました。中国でビジネスを行う外国企業に対して、ICカードやデジタル複写機のほか、薄型テレビ等のデジタル家電の中核となる製品情報(ソースコード)の中国政府への開示を強制する新制度を、今年5月から導入する方針であるというものです。

 ソースコードとは、そのデジタル製品を制御するソフトウェアの設計図といえるもので、いわば製品の企業秘密であり重要な知的財産です。ソースコードを入手することができれば、他企業がコピー品を製造できてしまいます。また、ソースコードが分かると、そのソフトウェアの欠陥を突いたウイルスの作成などが容易になったり、日本製のデジタル機器の暗号技術が中国側に筒抜けとなるなどの安全保障上の懸念もあります。しかし、開示を拒否すれば、その製品の対中輸出や中国での現地生産、販売が一切禁止されるというのです。「デジタル製品にとってソースコードは命」と、日立製作所の古川社長は語っています。中国が予定通り新制度を導入した場合には、「中国向けとそれ以外で(製品を)分けることを検討する状況になりうる」と述べ、中国での高度なデジタル製品の製造・販売を停止することも視野に検討する考えを明らかにしました。

中国政府に開示したソースコードが中国企業に渡らない保証はなく、日米欧の通商当局や経済団体は、この制度の撤回を求めるよう働きかけると発表しています。そうしなければ、外国企業は中国から撤退してしまうかもしれません。また撤退でなくとも、日立製作所のように、製品の「住み分け」を行う企業も増えていくことは十二分に考えられます。業界団体の試算によると、日本企業の対象製品は、現在中国国内での売上高で1兆円規模に上る可能性があるといいます。開示を断れば巨大な中国市場を失いますが、受け入れても技術流出によって安価なコピー商品が出回る危険性がつきまといます。対中戦略で各企業の明暗が分かれそうです。

Entry Filed under: 未分類

Leave a Comment

Required

Required, hidden

*
画像に書かれた文字を入力してください

スパム対策用画像
ログインすると画像認証なしで投稿できます

Some HTML allowed:
<a href="" title=""> <abbr title=""> <acronym title=""> <b> <blockquote cite=""> <cite> <code> <del datetime=""> <em> <i> <q cite=""> <strike> <strong> <img localsrc="" alt="">

Trackback this post  |  Subscribe to the comments via RSS Feed


ホットワード 雑学 デジタル 製品 中国
割引クーポンまとめ情報 - クー割