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2011 年 4 月 25 日

その465 J-STAGE 3への期待

カテゴリー: ネットワーク, 仕事 — みよこ @ 4:04 AM

先日、仕事のページで、学会誌等で著者や編集者の方にExcelでXMLの原稿を入力していただくためのテンプレートをアップしたが、その後、そういえばJ-STAGEのXML化はどうなっただろうと思い、調べてみた(順番が逆だわね(^^;)。

J-STAGEのサイトに行ってみたところ、J-STAGE 3の2012年4月からの本格運用に向けて、3月9日(東京)と11日(京都)にJ-STAGE利用学協会(発行機関)向けに説明会が行われていた。

資料を見てみると、来年4月以降もしばらくは従来のPDF+BIBファイルでも受け付けるとのことだが(XML化への対応に向けて、現場での混乱は避けられないだろうし、必要なことだろうと思う)、XMLのサンプルを見てみると、対応自体そう難しくはなさそうだ。私自身、現在BIBファイルを作るために必要項目をXMLにして作業しているが、それをXSLTで変換すれば問題なく移行できる。

比較的大きな変更点としては、著者のフリガナが入ることと、参考文献のタグ付けが細かくなることだが、著者のフリガナについてはこれまで入らなかったことが不思議なことだし(英字があるからそれで代用できるということだったのだろう)、参考文献のタグの細分化については、現状では原稿によって区切り文字や書式がバラバラなため、他のデータベースとの照合や引用数のカウントの正確性の向上のためにも、こちらも当然の対応だろうと思う。

J-STAGE 3では、書誌情報だけでなく本文も含めて全文XML化になるが、その最も大きな利点は、これまでBIBファイルというShift_JISのテキストファイルで書誌情報をアップしていたのが、UTF-8のXMLファイルで、論文の全文を投稿できるということだ。

学会誌等では、Shift_JISでは表現できない文字も多く使われる。それをBIBファイルにするために、文字参照にしたりShift_JISにある文字に置き換えるという手間がこれまで発生していたわけだけれども、それが解消できる。さらにXML組版への道が大きく進み、ワークフローの効率化も進むことだろう。組み上がったDTPデータからテキストを書き出してBIBファイルを作るという残念な作業(私にとってはそういうお仕事もありがたく大切なのだけれども)から脱却できるのだ。

このことにより、DTP化で、それまで分業されていたことが、デザイナーやDTPオペレーターの作業として集中する方向になっていたのが再び分業に向かっていく可能性がある。それによりデザイナーはデザインに集中でき、オペレーターは組版に集中できることになる。

J-STAGE 3では、世界的に広く使われているオンライン投稿システムをJ-STAGE用にカスタマイズしたASPを無償で使うことができる(利用優先度審査あり)ようになるそうだ。そのシステムがどういうものかはわからないが、投稿者は書誌情報については書誌情報入力画面で各テキストボックスに必要事項を入力し、Abstractや本文については、ブログの入力画面のように表の入力や、上付き下付きアンダーラインボールド等の修飾、画像や図版をアップすることができるようになっているかもしれない。投稿者や査読者は、その簡単な組版結果をプレビューし、確認や修正をすることができるだろう。図表については、図表番号と図表とのリンクで確認できるかもしれない。図表のアップには、印刷に使用することも考えたサイズの目安が示され、投稿と同時に画面プレビュー用のサムネイルも作られるようになっているかもしれない。論文誌についてはそのまま自動生成したPDFや、場合によってはEPUB等を論文流通の中心にし、必要に応じて印刷物を作る学会も現れてくるだろう。

そうなれば、印刷会社への入稿はXMLデータになる。それをたとえばInDesignで組む場合、その学会誌用のテンプレートを作り、そこにXMLデータを読み込むことになる。それには、入稿されたXMLデータについて全半角や表記の統一などのテキスト処理を施したり、学会誌のレイアウトに合わせ、InDesignに読み込むのに都合の良いXMLに変換する必要が生ずる。校正が済み、組み上がれば、それをまたデータベースに反映させるために、再びInDesignから書き出したXMLデータを指定のXMLの形式に変換してアップすることになるだろう。

この時、組版の現場では修正でXMLの構造を一部壊してしまっていることもあるかもしれない。それを再び調整してアップできるようにする必要も生ずる。つまり、DTPデータに対するXMLデータの入出力を担当する人が必要になってくる。

そこで、このXMLの入出力部分の設計及び作業ならば、お役に立てるのではないかと思っている。テンプレートとXSLTを作り、それをたとえば1年間フィードバックを回していき、ブラッシュアップする。デザインを変えるとなれば、そこでまたテンプレートとXSLTに修正を施し、それをまた1年間フィードバックを回していく。そういう形でのお手伝いができるのではないかと思う。

まずは、先日作ったテンプレートをJ-STAGE 3に簡単に対応できるように修正を加えることから始めてみようと思っている。

3 件のコメント »

  1. 補足です。

    「世界的に広く使われているオンライン投稿システムをJ-STAGE用にカスタマイズしたASPを無償で使うことができる」
    というところで、世界的に広く使われているそのシステムについて詳しく見ることはせず、理想的な仕様を既存のASPサービスの例から類推して書きましたが、それについては以下の2種類を元に、J-STAGE用にカスタマイズされたものが選択できるとのことです。

    ○Editional Managerタイプ
    元となるASPサービスのサイト
    http://www.editorialmanager.jp/

    ○ScholarOneタイプ
    元となるASPサーピスのサイト
    http://scholarone.com/

    で、これらについては本文で書いたような全文XMLに対応したものとは限らないようです。
    Editional Managerについては書誌情報のみで、本文についてはWordとのことです(知り合いの方が確認してくださいました)。
    カスタマイズについてはどこまでできるようになるのかはわかりませんが。

    ただ、全文のサンプルXMLが公開されているので、私としては、ASPが使われるか否かにかかわらず、それをもとに制作過程でのXML化について、雛型等を準備していきたいと思っています。


    コメント by みよこ — 2011 年 5 月 2 日 @ 3:32 AM

  2. 少し誤解の生じそうな書き方をしているところがあったので修正させていただきます。

    全文XML化で、あらかじめ公開されたものを、たとえば1年間分をまとめて紙で出すというようなケースでは、修正したものを再びデータベースに反映させるということは、実際にはまず行われないと思います。

    組んでから全文XMLを書き出し、データベースに反映させるのは、非公開で投稿し、そこから書き出したものを入稿データとするケースですね。


    コメント by みよこ — 2011 年 5 月 23 日 @ 10:07 AM

  3. 全文XMLとなると、細かなところでなかなか難しいところがあるので、とりあえずはBIBのみXML化というのが入りやすいようです。
    本文中に書いているような流れも、これまたいろいろ難しいですね。

    論文のところのみ何とかしてもらいたいという学会様、印刷会社様、ぜひご相談ください。
    PDFで納品させていただき、XML形式のBIBファイルの書き出しもさせていただきます。


    コメント by みよこ — 2011 年 12 月 19 日 @ 12:51 PM

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