その456 JEPA 9月度セミナー DAISYとEPUBが提案する出版の将来と最新のTTS(音声合成エンジン)デモ
『鴨東綺譚』も『春琴抄』もまだ中途だけれども(^^; 9月22日に、JEPAのセミナーDAISYとEPUBが提案する出版の将来と最新のTTS(音声合成エンジン)デモに行ってきたのでまとめてみたいと思う。
1) DAISYとEPUBが提案する出版の将来
読書が難しい人たち
弱視はもちろん、それ以外にも加齢によって真ん中が見えなくなる症例、紙アレルギー、それから認知が難しい(視覚は正常なのだが、それを脳で処理できない)等、本を読みたくても読めない人たちが国内に50万人いるというお話から始まった。そういう潜在的需要を掘り起こしていくツールとして、DAISYやEPUBが活かせるのではないかと。
そこでDAISYなのだが、著作権法33条、37条の改正により、出版者と著作権者が自らDAISYによる出版をした場合は独占できるが、権利者自らそれを放棄した場合は、図書館で作成し、公衆送信できるようになったそうだ。これについて詳しくはリンク先を読んでいただきたい。
DAISYは、現在バージョン2.02と3用のツール(ビューワー、コンバーター、バリデーター等)がいろいろリリースされているが、DAISY 4では、EPUBとDAISYは非常に親和性が良いことから、一緒に規格作りを進めているとのこと。それにより、EPUBをソースにしてDAISYを出力したり、DAISYからEPUBを出力することがスムーズにできるようになるそうだ。日本語や数式、表をフルサポート、試験に使えるようにインタラクティブ機能も含め、来年の6月までに規格を作る予定とのこと。DAISYについて詳しくは、DAISY研究センターによるエンジョイ・ディジーサイトに、ツール等も含め、情報が集まっている。
今のところでは、DAISY Pipelineというオープンソースで作られたツールや、Dolphin社のDolphin Publisherが対応しているようなことを聞いたと思うのだが、それならぜひ実験してみたいと思ってサイトに行ってみたが、サイトが英語なこと(^^; 等から、いまいちよくわからなかった。DAISY Pipelineについては、後で出てくるマイクロソフトのツールの裏でも動いているようだ。
ビューワーは、AMISがオープンソースで提供されている。
2) マイクロソフトの取り組みとDAISY Translator
マイクロソフトからは、DAISY Translator日本語版というツールが提供されている。Wordのアドインという形で使うようになっている。今回、このツールを使って、「私の好きな、源氏の女君たち」のDAISY版を、音声ファイルも入ってサイズが重くなるので「女君たち」だけで作ってみた。ビューワーをインストールして読んでみていただけたらと思う。合成音声が若干訛っているが、パソコンが勝手に読んでくれるのはなかなか楽しい。
ツールをインストールすると、WordにDAISY用のスタイルが用意されるので、それを各段落に適用してデータを作る。Wordのスタイルは、タグの認識に使われるので、スタイルを作り込んでも書き出されるデータには反映しない。見出しの体裁等を変えたい場合は、書き出されたCSSを修正する。DAISYは各ファイルがそのままで、圧縮しなくていいので、修正も楽なようだ。実行してみて、読み間違いがあれば、辞書登録をして再度変換することになる。
3) TTS(Text to Speech)デモ & 懇親会
デモは、懇親会の時に各社のテーブルが置かれて、参加者が興味のあるテーブルに行って説明を聞くという形で行われた。マイクロソフト株式会社の他、株式会社エーアイ、日立ビジネスソリューション株式会社のボイスソムリエ、HOYAサービス株式会社のVoiceTextが出展されていた。
マイクロソフトのテーブルでは、先ほどのアドインと連携して使うドキュメントトーカ 日本語音声合成エンジンのCDと、使い方のマニュアルが置かれていたので、早速使わせていただいて、先ほどのサンプルを作った。Webサイトの読み上げもできるので、かなり便利。ボイスソムリエは、音のきれいさが印象に残った。特に、Android携帯でのWebサイトを読み上げは、携帯を持っているのが自分ではなくても、内容がすっと頭に入った。VoiceTextは体験版のCDをいただいたが、この使いやすさはいいわね。ただ、価格はどうなのだろうと思ってWebサイトを見たけど、どこにも見当たらないのは残念(^^;
懇親会では、XMLの集まりのメンバーの方にくっついて歩いて何人かの方にご紹介いただいた。その方は途中で会社に帰られたが、その後も少し残ってお話などをした。
ビールを注いでくださった方には、グラスが私のかどうかと戸惑ってぎこちなくなってしまい、申し訳なかった。その他にも、顔が合って、名刺をと思ったら間に人が入ってしまい、こちらが諦めてしまった方もあり(^^; はにかみ屋はこういう時に困るんだわね(T_T)
まあ、はにかみ屋はあったけれども、大収穫のセミナーだったと思う。








