その449 DTP Booster 14(前編)
前回の投稿からもう1ヵ月が経ってしまったが、『夢の浮橋』については少しお休みして(前回の投稿後もツイッターではいろいろつぶやいているので、それについてはツイログの方をご覧ください)、今回はDTP関係のお話を書こうと思う。
6月19日(土)、DTP Booster vol.14に行って来た。今回は電子書籍について網羅的に取り上げるということで、約400名の参加という大規模なものとなった。
当日になって名刺が足りないことに気付き、出掛けに準備したために遅刻してしまったが、会場に到着した時には後ろの方で席を見つけあぐねて立っている方々がいた。私もどこかに座ろうと思いつつ、なかなか見つからず、しばらく同じように後ろに立っていたが、少ししてからようやく空席を見つけ、座ることができた。
どのようなプログラムだったかについては、上のリンク先を見ていただくことにして、私が到着したときは、「電子出版を理解するための5つのポイント」の途中だったので、ここからレポートさせていただくことにする。
○電子出版を理解するための5つのポイント
発表者 境 祐司(週刊イーブックストラテジー)さん
5つのポイントとして、次のことが挙げられた。
- 電子書籍フォーマット
- 電子書籍リーダー
- 電子書籍プラットフォーム
- 電子出版ワークフロー
- 電子出版プロデュース
フォーマットについては、書籍ならば海外ではePub、日本ではボイジャーのドットブック、シャープのXDMF等の独自フォーマットが存在し、雑誌については、PDFやアプリケーション(FlashやAjax等)等で提供されているが、これらを書店のレイアウトを例に説明された。
「このリーダーで読みたい」というところから始める考え方も紹介された。リーダーアプリを決めれば、フォーマットは自動的に決まる。
これら出力フォーマットの他に、中間フォーマットの必要性についても言及された。
素材を編集する際に、たとえばInDesignからePubやPDF等にそれぞれ直接書き出すのでは、いろいろなフォーマットに書き出したい場合に不便である。そこで出てくるのが中間フォーマットである。
コンテンツを中間フォーマットにしておくことで、これからどのようなフォーマットが出てきたとしてもそこから書き出せるということでとても重要なのだが、まだ決まっていない。
これについては私も大いにうなずいた。私は、「見やすい」「柔軟性のある」「使いやすい(加工しやすい)」「誰でも使える(仕様が公開されていて、ロイヤリティーなど必要ない)」中間フォーマットがぜひとも必要だと思っている。
リーダーについては、読書専用端末と汎用端末がある。
専用端末については、それでしか読めないとなると市場は狭いが、たとえばKindleの場合はiPhoneでも、iPadでも、パソコンでも、ブラックベリーでも読める。これはアマゾンがリーダーアプリケーションを提供しているからで、読書専用端末同士では無理であるが、それ以外はできる限り読者のためにあらゆるデバイスに対応させようということになっている。したがって、ハードウェアのリーダーとソフトウェアのリーダーがあるというように分けて考える必要があるというお話をされた。
プラットフォームについては、世界市場向けと国内市場向けがあり、世界市場向けではApp Storeやキンドルストアー、ソニー・リーダーストア等がある。日本ではApp Storeしか使えないが、国内市場向けならば日本では電子書店パピレス、電子文庫パブリ、理想書店、
eBook Japan等いろいろあるが。世界市場向けに個人が出版できるというのが、電子書籍のメリットであるというお話だった。
ワークフローについては、次の3種類に分けられた。
- リフロー系(ePub)
- ラスタライズ・ベクタライズ(PDF)
- アプリ系
ePubやPDFならば10年後も読めるだろうが、アプリ系の場合、ソフトウェアを提供する会社が潰れてしまったら、購入できなくなってしまう可能性がある。アップデートやサポートの体制を用意する責任があるので、それを込みでワークフローを作る必要がある。
App Streの場合は、Stanzaというリーダーアプリがあり、これとePubが一体化して、1つのアプリ版の電子書籍として売っている。この場合は中身はePubなのだが、アプリとして提供されているので、やはりアップデートやサポートが関わってくる。
ここで、電子書籍のオーサリングについて、体験をもとにお話をされた。対象のデバイスの特徴やコンテンツのタイプによって多くの試行錯誤が必要なことがよくわかる説明だった。
プロデュースについては、無料でもダウンロードされないという現象が発生してきているというお話があった。したがって、どれくらいブランド力があるかということは最初にチェックしておく必要がある。
現在の「読者」は、読書専用端末や汎用端末を所有している人々の中で、端末で読むことに抵抗の無い人々である。それ以外の人々にアプローチをしてもあまり効果がない。したがって、ソーシャルネットワークを活用して本を売っていくという考え方がないと非常に厳しいという実感がある。そのうえで、読者のニーズに応えるということで、ニューズウィークが例に挙げられた。
今は大枠をつかむためにいろいろな人たちと、たとえば直接自分と関係がないように思える人たちとも積極的に意見交換をする必要がある。電子出版全体のフレームを理解することによって、自分のやりたいことが見えてくるだろうとの言葉で締めくくられた。
この後、アプリ系のシステムについて3つ紹介され、その3つめとして、アドビシステムズの岩本さんからお話があった。
○アドビDigital Publishing Platform
発表者 岩本 崇(アドビシステムズ)さん
この時点ではお話しできることがあまりないということで、ぼやけた図などが出てきたりしたが、WIREDアプリを見ながらお話しされた。
このようなアプリを作るためのソリューションを夏にAdobe Labsで発表する予定とのこと。ソリューションを使うには、InDesign CS5が必要とのこと。
発表後の質問で、有償か無償かという話が出たが、それも未定とのこと。ただ、検索していくと無償との情報もある。詳しい情報は、Advancing the future of digital publishingで確認して欲しいとのことだった。
次回は後編ということで、InDesignの勉強部屋の森 裕司さんの発表から、懇親会までレポートしたいと思う。







