その450 DTP Booster 14(中編)
前回に引き続き、DTP Booster 14のレポートを書きたい。
○InDesignから書き出すEPUBをコントロールする
発表者 森 裕司((有)ザッツ・InDesignの勉強部屋)さん
私自身はePubを作るときは、XMLファイルからと思っているのだが、やはりInDesignから書き出す方法を見るのは、とっつきやすいしわかりやすい。ソリューション系の話が続いた後だったこともあってか、妙にホッとしながらYUJIさんのお話しを聴いていた。
実は、InDesignからのePubの書き出しについてはCS3から対応していたが、ただ書き出しただけでは読みやすいものにはならない。そこで、「InDesign スタイル機能 Perfect Book」という小冊子を材料に、iPad(iBooks)での利用を前提として、データの作り方から書き出したものに手を加える方法についてお話しされた。
InDesign上での作業は次のようになる。
- 新規でドキュメントを作成(サイズは768×1024pix。これはiPadの液晶のサイズ)
- カラーモードはRGB
- フォントはヒラギノ角ゴ ProN(iPadの標準)
- 文字サイズはピクセル指定
必ずしもこの通りに作らなければいけないということではなく、カラーモードもCMYKのものからePubに書き出せば画像は自動的にRGBになるそうだ。
iPqdで実際にテキストが表示される領域は、547×729pixらしいので、作成時は、実際の表示に近いようにマージンを設けて作ったとのこと。
画像の形式については、ePubに書き出す時に自動的にJPEGやGIFに書き出されるそうだ。
現時点の注意点は、ファイル名やスタイル名に日本語は使わないこと。さらに、各シーンでの注意点が続いた。
(1) レイアウトを考える
- 縦組み・段組みは不可
- マスターページは使用不可
- 索引は使用不可
- 目次機能を使って目次を作る
- 写真はすべてインライングラフィックにする
複数のオブジェクトがある場合、ドキュメントが左開きの場合はX座標(横軸)が原点に近いものから書き出され、次にY座標(縦軸)が原点に近いものが書き出され、ドキュメントが右開きの場合は、Y座標が原点に近いものから書き出され、X座標が右の方にあるものから書き出されるので注意が必要とのこと。
(2) 表紙を作成する
表紙は別ファイルで画像として書き出しておき、後でiTunes上でつけていく。
(3) レイアウトする
- 画像はすべてインラインで
- すべてのテキストに対して段落スタイルを適用(一番の肝)
- 表組みは使用できるが注意が必要
注意点は、次のようになる。
- 段落先頭の字下げは無視される
- 文中の先覚スペースは欧文スペースになる
- 空の改行は削除される
- ユニコードは代表の字形のみ
- フレームにつけた塗りや線は反映されないので、後でHTML上でつける
- 段落スタイル内の複雑な機能は反映されない
- Table内の画像は、Table内のpタグを削除すると表示される
段落スタイルはすべて適用しておくというのは、InDesignファイルからXMLに書き出すときにも肝になる。
Table内の画像の件は、これで引っかかっている人が多いかもしれない。「なぜ画像が表示されないんだろう」と言っているのをよく聞く。
(4) リンクを作成する
InDesgin上でも、ハイパーリンクというパネルがあり、こちらから設定しておくこともできる。
(5) 目次を作成する
必ず目次機能を使って作成するが、ページ番号は不要(文字サイズが変わればページ数も変わるため)。
ここで重要なのは、どの段落スタイルが当ててある文字列から目次を作るのかということ。
書き出しの際のオプションでは、「埋め込みフォントを含む」というところは、iPad用のiBooks用に書き出すのであれば反映されないのでチェックは外す。
フォントの埋め込みの際には、ePubのファイルに丸々コピーされるのでライセンス上はアウトだが、CS5ではサブセットとして書き出されるのでOK。
フォントについては、複数の太さのものを使った場合、そのまま反映されないことがあるので、興味のある方は、InDesignの勉強部屋のCS4の該当個所を見て欲しいとのこと。
(6) ビューワーで確認
Adobe Digital Editionsで表示させるとところどころ?で表示されるが、これは段落スタイルを適用していない和文テキストである。
これについては、ePubの中のXHTMLを開いて、
<html xmlns="http://www.w3.org/1999/xhtml" xml:lang="ja" lang="ja">
と書き換えて欲しい。CS5の場合は?表示されることはないとのこと。
なお、画像に対しても段落スタイルを当てること。
(7) 目次を作る
(8) ePubを書き出す
(9) ePubを編集
編集の手順は、次のようになる。
- ePubを解凍
- XHTMLとCSSを編集する(段落境界線等はCSSで)
- ePubに戻す
ePubを解凍して戻すのは面倒なので、そういう時は、Sigilが便利だ。
実は、このレポートを書く前に、あるツールでePubを作り、CSSや階層構造を修正して、自分でcnxファイル(目次ファイル)やopfファイル(階層構造指定ファイル)を書き直したのだが、そうしてできたePubファイルををSigilで開くと、Sigil推奨の階層構造に自動的に変換し、cnxファィルやopfファイルを修正してくれるのだ。で、このGUI上でXHTMLやCSSを変更したり、画像を追加したりして保存すれば、きれいなePubファイルを作ってくれる。
ただし、CSSの中に画像のURLを指定している場合は、そこまでは書き換えてくれないので、これは手動で修正する必要がある。
以前アップしたePubファイルをこのSigilで修正したので、再度アップしておいた。皆様の環境で確認していただけたらと思う。
それにしても、InDesignからePubファイルを書き出すというのは、現状では結構面倒だと感じた。新たにそれ用に作るなら、断然XMLファイルから作る方が便利だし、その方がスマートだ。いずれePubが日本語対応すれば、また情況も変わってくるかもしれないが、私のワークフローとしては、XMLからInDesign、XMLからePubだ。
また、これには紙から出すか、電子版から出すかということも関わってくる。紙から出すのならば、InDesignで校了後、XMLを書き出し、それをePubにする。電子版から出すのならば、XMLからePubを作り、それをXMLに戻してInDesignで組む。
近いうちにXMLファィルからGUIでePubファイルを作り、CSSまで面倒を見てくれるツールも出てくるので、それに期待したいと思う。
今回は懇親会まで書こうと思ったが、YUJIさんの分で結構な分量になったので、中編とさせていただいた。ということで、続きはまた次回(^^)








