その379 『夜明けの街で』
東野圭吾著『夜明けの街で』を読んだ。
この本は、マサノリが購入したのだが、彼がまだほとんど読まないうちに、私が読んでしまった(^^)
それにしても、この作品での東野圭吾は、メチャクチャ実感をこめて力説している。いままでの彼の作品でこれほど読者に対して直接的に力説している作品があっただろうか。それほど主人公の心理にリアリティがあり、実感がこもっているのだ。
内容は推理的要素があるので(2時間ドラマ向き)、詳しくは書かない方がいいと思うが、
不倫する奴なんて馬鹿だと思っていた。
という主人公がどんどん恋に追い込まれていく。
相手になる女性も、不倫はとんでもないと思ってる女性だ。
何しろ、派遣で入社したときの挨拶で
「夫としての役割を全うできる人でないといやです。ほかの女性に気持ちが向くような人は失格です」
と言ったくらいの人だ。
そんな2人がどうやって不倫の関係になっていくか。とにかくそうならないと話が進まないので、物語ではあの手この手で追い込んでいく。
まぁ、実際、人を好きになるというのは、いつのまにか心がつかまってしまうというようなものだろうし、奥田英朗の『マドンナ』のように、中年の既婚男性は案外日常的に心を掴まれているのかもしれない。そこから先に進むかどうかは、双方にそこを飛び越える意志が必要だと思うが、それがないのに飛び越えさせる仕掛けは見事だ。
それにしてもこの本、私の枕元にあったものだから、てっきりマサノリが私に読ませようとしたのかと思って、「むむっ? これは何かのサイン?」などと気を回してしまったが、後で聞いたらまだ読んでないようだし、話の内容もよくわかっていないようだった。
かなり分厚いものだが、あっという間に読めてしまったので、これが最初だけ読んで積んどくになっているというのは、ひとまず安心していいということかしら(^O^)
そうそう。この作品では、サザンが効果的に使われていた。『秘密』でのユーミンもそうだったけど、実に見事だわ。








ウィキペディアによると、東野圭吾と奥田英朗は飲み仲間らしいので、もしかしたら、奥田英朗の『マドンナ』を東野圭吾が書くとこうなるという感じで、ある程度意識してこの作品を書いたのかもしれないなどと想像してしまいました。
興味のある方は、両方読み比べてみると面白いかも(^^)
コメント by みよこ — 2008 年 4 月 30 日 @ 3:50 AM