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2005 年 5 月 17 日

その248 『KAZEMACHI CAFÈ』

カテゴリー: ユーミン — みよこ @ 12:00 AM

KAZEMACHI CAFÈ松本隆対談集『KAZEMACHI
CAFÈ』
を読んだ。帯に書かれているコピー「賞味期限が長そうな、濃ゆい茶飲み話」そのままの、実に濃い内容の対談集だった。
内容は、松本隆公式サイト「風待茶房」 のカフェのお客さまというコーナーを中心に、雑誌の対談と語りおろしを加えたものだ。

第1章は雑誌の対談からで、ボリュームの多いもの。トップバッターは現代詩の谷川俊太郎。第2章がユーミンも出てくるカフェのお客さまの対談。ユーミンの対談は、『Face's』『真冬物語』の発売を記念したものなので、読んだ人も多いと思う。そして第3章は、語りおろし2対談を含む最近の対談で、最終バッターは映画『誰も知らない』の是枝監督だ。

で、読む順番としては、2章から読むことをお勧めする。最初から読んでもいいのだが、トップの対談があまりに濃いので、精神的に余裕のあるときでないと投げ出してしまうかもしれないからだ。
第2章は気軽な話から入って、どんどん本質的な話に入っていくのだが、ちっとも肩が凝らない。たとえばユーミンの場合、上記の2作から入っていくのだが、次第に話は聖子プロジェクトの戦友としての話題に移っていく。ユーミンがポンポンと言う中で、松本隆はオブラートに包むように話すのだが、トータルして読むと、かなりのことを言っている。「ああ、大変だったんだなぁ」と思った。
この中で詳しく語られなかったことでも、別の対談で答えが出てきたりするので、それも面白い。
『瞳はダイアモンド』は(聖子のものより)いいものにする自信があったというユーミンの言葉には、深くうなずいた。聖子に失恋の曲はあまりピンとこないようだ。聖子バージョンは頭に「愛してたって言わないで」が入っているにもかかわらず、ユーミンが歌って初めて「なんて悲しい詩だ」と思ったもの。
次に読んだのは薬師丸ひろ子との対談。ユーミンとの対談が1つのテーマに絞られていったのに対し、こちらは女の子同士の会話のようにあちこちにポンポン話題が飛ぶ。それでもだんだん等身大の女性の心の動きが見られて、道に迷っている人には勇気がわく内容だ。
細野晴臣から佐野史郎、大瀧詠一に続く対談はメチャクチャ面白い。特にはっぴいえんどファンにはたまらない対談だろう。それにしても、30年も経つとそれぞれの記憶にズレが出てくるのね。そのズレっぷりがまた面白かった。

読み応えがあるのがトップの谷川俊太郎対談と第3章の町田康対談だ。これは離れているが、ぜひ続けて読んでみることをお勧めする。現代詩を背負って話す大家と、それより世代が若い松本隆の緊張感のある対談。ここでは少々ムキになる大家に出会える。
結局この二人が一致したのは「演歌が苦手」ぐらいだったのではないだろうか。それでもお互いが何とかお互いの話からエッセンスを取り出そうとしていくなかで、こちらもいろいろ考えさせられる。
そして、松本隆より若い町田康との対談。今度は若い町田康が攻めてくる。途中で現代詩の話が出てくるのだが、それに対する町田康の言葉が強烈だ。あまりにスパッとした発言に、対谷川俊太郎対談を読んだ後だけに「ひぇーっ」とのけぞってしまった。

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