その200 マサノリから見たニシノユキヒコ
『ニシノユキヒコの恋と冒険』を読んだあと、まだ何か釈然としないところが残った。そこで、試しにマサノリに
「ニシノユキヒコは、結局誰のことが一番好きだったと思う?」
と聞いてみた。帰ってきた答えは、
「一番最初の女の子じゃない? あれでつまずいて、トラウマになっちゃったみたいな」
中学時代に、付き合わない? とニシノユキヒコが言ったのに、付き合ってくれなかった女の子だというのだ。
あまりの意外さに一瞬「へ?」と言ってしまった。その後、すぐに「あー、そうだったのか」と思った。
私はてっきりトラウマはお姉さんだと思っていたのだけど、そうではなかったんだ。もちろん、お姉さんもその一部ではあるけれど。
そうか。ニシノユキヒコとその彼女が会ったのは決して偶然ではなく、ニシノユキヒコは知っていたんだ。彼女がそこで何をしていたのかを……。
そう思って再び読んでみたら、あった。その証拠が。それは第2篇に出てくる。ニシノユキヒコは、彼女がそこで埋めたものを見ていたのだ。
あー、そうだったのか。あの約束は、そういうことだったんだ。あの約束は母親にではなく、娘の方が目的だったんだ。







