みよこの部屋 コメントページ

2003 年 12 月 30 日

その174 人面疽

カテゴリー: 小説・作家 — みよこ @ 12:00 AM

『ブルーもしくはブルー』は、ドッペルゲンガーという、分身をテーマにした話だった。で、このドッペルゲンガーというものに興味を持ったのでネットで調べてみたら、私の好きな谷崎潤一郎もテーマにしているという記事が見つかった。はて、そんなのあったかしらと思いつつ、谷崎がミステリー的なものを続けて書いた時期があったことを思い出し、この作品に行き当たった。

この作品は、文庫本ではたぶん見つからないだろう。私が持っているのは、六興出版で出した『新装版谷崎潤一郎文庫』全12巻のうちの第5巻だ。ここには、谷崎の代表的なミステリー風の作品が集まっている。その中には、後に江戸川乱歩が影響を受けたという、日本のミステリー小説のさきがけとなった『途上』という作品も含まれている。

さて、標題の『人面疽』だが、アメリカで活躍していた映画女優が日本に帰ってきたら、自分の出演した覚えのない作品が秘かに上映されていることを耳にし、それについて消息を知っている人にたずねるところから始まる。谷崎は一時活動写真に深くかかわっていた関係上、その内側を良く知っている。この作品にはそこで得た知識が生かされている。
小説の中に映画作品の話が出てくるのだが、その映画作品がもしあったら、現在でも結構見ごたえのあるホラー作品になるだろう。この小説では、表面上の主人公はただの聞き手であり、本当の主人公は映画に出てくる主人公にみえる別人と、この映画がホラーたるゆえんの乞食の青年だろう。そして、語り部の言葉が読者にさらに不気味な世界に誘ってこの物語は終わる。

2005-06-03
谷崎潤一郎の本で、こういうのが出てるのね。分野別になっているから探しやすいかも。

コメントはまだありません »

コメントはまだありません。

このコメント欄の RSS フィード

コメントをどうぞ

*
画像に書かれた文字を入力してください

スパム対策用画像
ログインすると画像認証なしで投稿できます

Powered by WordPress

ホットワード 部屋 コメント padding margin カテゴリー
割引クーポンまとめ情報 - クー割