その164 『ハードボイルド/ハードラック』
吉本ばなな著『ハードボイルド/ハードラック』が、例によってベッドの脇にあった。早速読んでみると、ハードボイルドは死んだ人との交流、ハードラックは死んでいく人の周辺で起こるこれからも生きていかなくてはならない人々の交流が描かれている。
ハードボイルドの方は、少し斜に構えたしゃべり方や行動をする女性が、たまたま一緒に暮らした友人の死と向き合う話だ。最後は一歩間違えれば一生つらさを背負わなければならなかった主人公に未来がみえてくる。
ハードラックの方は、仲の良かった姉が突然病に倒れ、ゆっくりと死んでいく、その過程の苦しい思いが描かれつつ、そんな中でも生き続けなくてはならない人々に少しずつ希望の種が生まれてくる。
今はどんなにつらくとも、それが決して永遠に続くことはなく、その先に光が見えてくるものだと感じることができる小説だった。







