その158 卵と砂糖
子供の頃、あまり裕福でなかったため(というより、はっきり言って貧乏)、食事はかなり質素だった。お米が命綱の食生活だった。
たとえば、おかずは丼一杯の黄粉(砂糖入り)が食卓の中心にあるだけとか、やはり丼一杯の納豆が食卓の中心にあるだけとか。よく栄養失調にならなかったと思うが、考えてみれば、今挙げた2品は共に大豆食品だ。また、実家の母はあまり料理が得意ではないが、味噌汁だけは結構まめに作っていた。味噌汁があると、おかずがあまりなくても結構満足できるものだ。つまり、子供の頃の食生活は、米と大豆が中心だったことがよくわかる。
このような食生活に役立っていたのが、母方の祖母が来るたびに持ってくる卵と砂糖だ。卵は納豆に入れたり、卵焼き、目玉焼き、卵かけご飯などに活躍、砂糖は黄粉に使ったり、学校から持ち帰ったパンをおやつに食べるときに、お湯で溶かしてパンにつけたり、卵焼きや煮物に使われた。
その後人並の食生活ができるようになっても、祖母は砂糖と卵を買ってきた。スーパーのチラシを見て、卵が安いとなれば、何度も並んで買う。これは戦争の体験がもたらした習性なのか、とにかく卵と砂糖には常に目を光らせていた。きっと私の祖母でなくても、こういう人は日本全国結構いらっしゃるのではないだろうか。
そういえば、砂糖については子供のころ母が酒屋さんで上白糖2袋を箱に入れてもらい、それをお中元に持っていった記憶がある。今は卵も砂糖もとても安価なものだが、あの頃は結構高価なものだったということを、こういうことを思い出すことで実感する。
2003.10.2
卵の値段は1個30円位の頃の記憶がある。が、砂糖については多分オイルショックによる買いだめの印象が強く残っているのかもしれない。







