その148 紫式部その1
大塚ひかり著『面白いほどよくわかる源氏物語』を読んだ。源氏物語のさまざまな謎に深く分け入って、紫式部の知識や性格をあぶりだしている。
紫式部は、当時宮中ではあまり知られていなかった儒教的な思想を持っていた。それは学者である父のもとで育ったことによる。そのため、同僚女房の浮気な様子が許せない。でも、女房をする限り、男性に顔を見られるし、貴人との関係も生じる。
つまり、女房という仕事をしている自分が嫌でたまらない。でも、仕事はキチンとやっているという自負がある。さらに、知識をひけらかす人は嫌いだが、自分の知識についてのプライドは高い。自分の中に相当な矛盾を抱えていたようだ。
だったら、人のことなど批判しなければいいのに、清少納言、和泉式部をはじめ、親戚にあたる人まで紫式部日記でかなり強烈にけなしている。相当に生きにくかったことだろう。大塚氏の説によると、どうもこの日記を書いていた頃の紫式部はノイローゼに陥っていたらしい。
紫式部日記は以前読んではいたが、『面白いほどよくわかる源氏物語』を読んだら、もう一度じっくり読んでみたくなった。







