みよこの部屋 コメントページ

2003 年 5 月 5 日

その139 『波のうえの魔術師』

カテゴリー: 小説・作家 — みよこ @ 12:00 AM

波のうえの魔術師この作品は、ドラマビッグマネー! でほぼ原作に忠実に放映された。ただし、原作の登場人物はもう少し乾いていて、その中で鈍い光を放っていた。また、問題の金融商品についても、原作どおりだとほとんど全ての銀行・生保がひっかかってしまうので、特殊な商品ということにしていた。
原作では、融資付き変額保険が対象だ。投資家が一時払いの終身変額保険でうまみをとって解約しはじめた頃も、相続税対策として大々的に売っていた。というよりも、その頃から相続税対策として熱を帯びてきた。何でも、銀行と組んで売っているのだという話はチラッと聞いたことがある。ただ、その契約内容までは知らなかった。実際に、原作の通りだったのか、それとももう少し違っていたのか、それはわからない。
だから、ひとごととは思えず、ヒリヒリしながら読んでいたが、実際、もうけ話というのは、一般人のところに来るころにはもう下り坂というのが本当かもしれない。
終身変額保険の場合、長生きして、経済が成長し続ければ、物価上昇による満期時価値の目減りを回避したり(この不況、いつまで続くの? 果たして日経平均3万の時代に戻ることはあるの?)、または、世界の市場動向を把握して、自分でリスクをとる知識があればそういうタイプの商品の運用によってそれなりのうまみを享受できる可能性があるが、バブル期に莫大な融資で一時払いをするというやりかたで、しかもそれを相続税対策として老人の虎の子を対象としてしまったところに悲劇がある。

2003 年 5 月 4 日

その138 『スローグッドバイ』

カテゴリー: 小説・作家 — みよこ @ 12:00 AM

スローグッドバイ石田衣良、マサノリがこのごろ気に入っている作家だ。主な作品に『池袋ウエストゲートパーク』(同名ドラマ原作)、『波のうえの魔術師』(ビッグマネー!原作)がある。両方とも、長瀬智也が主演している。
両方の作品から見える作風は「男の世界」だが、本人のあとがきによると、ミステリーが多いのだそうだ。
そんな中で、誰も死なない、犯罪も起こらない恋愛小説を集めたのがこの本だ。
デビュー間もない頃から手探りで書いてきたと、あとがきに書いてあるが、読んでみると、確かに女性読者をターゲットにした、いかにも女性が好みそうなテーマだ。過激な表現は極力避け、登場する男性はとても優しく、涙も流す。そして、ヒロインのファッションをこまごまと記述し、食べ物や映画やさまざまな小物がちりばめられている。
表題作の『スローグッバイ』は、ある元カップルさよならデートの一部始終を書いている。こんなに辛抱強い男性がいるのだろうかという突っ込みを入れながら、一気に読んでしまった。
この短編集は20代の主人公だったが、今度は30代の男女を主人公にしたシリーズを書くそうなので、それも楽しみだ。

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