その139 『波のうえの魔術師』
この作品は、ドラマビッグマネー! でほぼ原作に忠実に放映された。ただし、原作の登場人物はもう少し乾いていて、その中で鈍い光を放っていた。また、問題の金融商品についても、原作どおりだとほとんど全ての銀行・生保がひっかかってしまうので、特殊な商品ということにしていた。
原作では、融資付き変額保険が対象だ。投資家が一時払いの終身変額保険でうまみをとって解約しはじめた頃も、相続税対策として大々的に売っていた。というよりも、その頃から相続税対策として熱を帯びてきた。何でも、銀行と組んで売っているのだという話はチラッと聞いたことがある。ただ、その契約内容までは知らなかった。実際に、原作の通りだったのか、それとももう少し違っていたのか、それはわからない。
だから、ひとごととは思えず、ヒリヒリしながら読んでいたが、実際、もうけ話というのは、一般人のところに来るころにはもう下り坂というのが本当かもしれない。
終身変額保険の場合、長生きして、経済が成長し続ければ、物価上昇による満期時価値の目減りを回避したり(この不況、いつまで続くの? 果たして日経平均3万の時代に戻ることはあるの?)、または、世界の市場動向を把握して、自分でリスクをとる知識があればそういうタイプの商品の運用によってそれなりのうまみを享受できる可能性があるが、バブル期に莫大な融資で一時払いをするというやりかたで、しかもそれを相続税対策として老人の虎の子を対象としてしまったところに悲劇がある。







