その116 『職人』
永六輔著『職人』を読み始めた。岩波新書で出ている。わが家でこの本を買ったのは誰だろう。マサノリだろうか、義父だろうか。わが家には、トイレの前に小さな図書棚がある。家族が買った文庫本がそこに並んでいる。傾向としては、義父が歴史物、私が現代小説、義母は私が読んだものを読む、義父の歴史物はマサノリや私が読む。マサノリは外国の推理物で、大きい本が多いので、その棚にはあまり並ばない。
で、職人だが、今読んでいるのは「語る」というところだ。いわゆる職人語録。味があるものもあれば、トンデモなものもある。これから読み進むのが楽しみだ。
私の仕事はDTPオペレーターだ。というよりも、自分にとっては組版オペレーターの方がなじみがいい。紙面に文字や写真を見やすく組むのが仕事だ。その仕事をなるべく早くこなすために、ワークフローを考える。早くこなすからといってみっともない組版はできない。ソフトの都合上なかなかうまくいかないところでも、何とかうまくいくように工夫をする。だから、新しいソフトを使うときは大変だ。「何でこうなるの?こんなこともできないの?」とぶつくさ言う。そう言いながら、そのソフトでどうやったらうまく作れるか考える。そして私流のワークフローが出来上がる。
会社などでは、ワークフローを考える人がいれば、それに乗る人もいなくては成り立たない。でも、1人1人が職人だと、それは難しい。自分流の仕事の仕方でなければ面白くない。言われた通りの手順で黙々とこなすのが好きという人もいるが、古くから組版の仕事をしている人にはまずいない。
職人にとって道具は大切だ。自分が使いやすくなるように、一生懸命手入れをする。それがパソコンの場合もしかり。だから職人がパソコンを共有するのはむずかしい。経営者からすると、この問題は頭が痛い。規模の有利さを出すには人材を自在に動かす必要がある。
1人で仕事をするようになってから、改めて思うようになった。
「私は1人でやるのが一番。」
現代の職人は情報交換も重要だ。たくさんの人たちから有用な情報を受け取り、自分からも提供する。そして、お互いに自分の仕事に活かせれば、それはうれしい。そうすることによって、共通の言語が出来上がり、仕事の流れもスムーズになることを期待している。
仕事をしているうちに、どうしても外注が必要になることもあるだろう。そのときは、潔く一件丸ごと相手に任せるつもりだ。







