その106 昨晩お会いしましょう
例によってマサノリがベッドの脇に置いた本の中に、『昨晩お会いしましょう』という田口ランディの短編集があったので、読んでみた。タイトル作と、次の作品を読んだところで疲れた。
マサノリに、なぜこの本を読んだのか聞いたら、タイトルに惹かれてということだった。まあ、予想通りだ。
ふとまたベッドの脇を見たら、『コンセント』という単行本があった。田口ランディの初めての小説だ。これもかなり刺激の強いものだったが、これは素直に読むことができた。それどころか、とても好きな作品になった。
この作品は、兄の生きることをやめたような死に方に遭遇し、そのダイイングメッセージのような掃除機のプラグについてこだわっていくうちに、主人公に変化が起こる。そして、最後にはすべての記憶を持っている存在へのコンセントとして生きるようになるというお話だ。
この作品には、彼女の作品の主題が詰まっていた。この作品を読むことによって、ようやく先ほどの『昨晩お会いしましょう』が理解できた。この短編集の中には5つの短編が入っているが、後ろの方にいくと、刺激が弱まってくる。ユーミンファンとしては、そのうちの『満月』がとても共感できるだろう。『昨晩お会いしましょう』という短編集を読むときは、ぜひ『満月』から後ろへ読み、それから『昨晩お会いしましょう』や、その次の『深く冷たい夜』を読むことをお勧めする。もしくは、田口ランディという人に興味があれば、ぜひ『コンセント』を先に読むことをお勧めする。
彼女の肩書きは「ネットコラムニスト」だ。コラムをメルマガ形式で読者に配信している。バックナンバーはMSNなどにある。まずは田口ランディのコラムマガジンに行き、そこからバックナンバーへのリンクをたどって読んでみるのもいいかもしれない。
テーマのはっきりした人は強いなと思う。







