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2002 年 7 月 20 日

その91 『いとしの儚』

カテゴリー: エンターテインメント — みよこ @ 12:00 AM

渋谷パルコ劇場で上演された、『儚』を、9日の初日に見た。
井川遥の演技力についてはいろいろ言われていたが、よく演じていたと思う。
初めに赤ん坊の泣き声をするのだが、うまく泣けていた。これだけのためにも随分練習したことだろう。声もしっかり出ていた。それにしてもしょっちゅう激しく転ぶ役なので、体のあちこちに傷が絶えなかっただろう。

さて、この舞台劇、高尚なのか下世話なのか、物語の中には『源氏物語』、『方丈記』の出だしや、さらには音楽の時間に習った『平城山』が出てくるかと思えばとてもお下品な言葉がたくさん出てくる。でも、いやらしくない。
素材は平安時代の『長谷雄草紙』。鬼と双六をして美女を得たが、百日の辛抱ができずに抱いてしまったところ、水になってしまったという物語だ。これを恋の物語にアレンジしたのが『儚』だ。
舞台では、賽の河原で青鬼が語るという設定なのだが、この青鬼の正体が、うっかりしているとわからないかもしれないが、なんとなく悟らせてくれるようになっている。日本のインタビュー・ウィズ・ヴァンパイアといったところだろうか。そういえば、初めの方で、赤鬼が青鬼に「なんだ、また昔話しているのか」と言っていた。後から思い出すと、ふぅ~んと思う。

で、重要な登場人物に、人形がいる。ツキの神様だ。可愛くて残酷な神様。人形はとてもよくできていた。でも、人形の演技力が…
私は見ていて、この神様がどういう感情でこういう行動をしているのかというのがよくわからなかった。たぶんこういうことだろうというのはわかるのだが。だから、舞台の間中、モヤモヤしていた。後で上演台本を読んで、「やっぱり」ということになったのだが、もう少しなんとかならなかったかなぁ。
マサノリにそう言ったら、彼はツキの神様の感情については何も考えず、ただひたすらツキの神様ってのはいるんだということを言っていた。彼は職場でこの神様に翻弄されているたくさんの人を見ているのだ。これに限らず、男性と女性では、見るところが微妙に異なる。ラブレターズでもそういう傾向があるようだ。この差というのが、また面白いところかもしれない。

私たちが見たのは初日だったので、ハプニングもあった。赤鬼が、とても軽快な動きで舞台上を飛び回るのだが、最後の方で水にぬれた舞台のせいで転んでしまった。みごとにスッテーンと。これには場内大爆笑。で、そのまま通せばいいのに、律儀にやり直してた。マサノリは、あんな、演技とは関係のないところで笑われて、悔しかっただろうなと言っていた。

赤鬼、河原雅彦は、カーテンコールのときに、とてもさわやかに、かっこよく手を振っていた。「いいな」と思った。

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