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2002 年 7 月 7 日

その89 傷を残す恋

カテゴリー: 古典作品, 男と女 — みよこ @ 12:00 AM

とはずがたり番外編。
よく、恋が終わった後、長いこと自暴自棄になる人がいる。たとえば、中森明菜などはその典型ではないだろうか。とはいいつつ、この人もようやく復活の兆しがあるようでなによりである。
二条の場合、1つは御所追放という形でいきなりピリオドを打たれた。自分は裏切っていても、院だけは、東二条院から何を言われても自分をかばってくれると、そのときまで信じていた。結局、追放を後見人である四条隆親に直接指示したのは東二条院であり、院はそれを追認したということを隆親から聞くのだが、でも、院からも直接とても冷たい、もし自分の身だったらゾッとするような冷たい言葉を浴びせられたのだから、これは院の意思でもあることは疑いなく、北山准后九十賀のときの後ろ向きの態度を生み出す結果となった。
が、もう1つの曙とのことは、恋人としての関係は昔話になっていたが、そういうつらいときはには心配してくれる人だった。その後、彼との関係はどうなったのか、確実なのは、表向きもう彼とは会えないということだろう。それくらいの何かまずい事態になったことは、旅の中で始終述べている嘆きから推測できる。また、鎌倉から戻ったときも、京にいづらく、すぐに別のところへ旅に出ることになる。それほどのいづらさというのは、いったい何があったのか。まあ、いづらさ自体については本筋からはずれるので、これについては掘り下げない。でも、次の旅については少し興味深いことがあるので、このことは次回書く。

とにかく二条は出家した。そして、旅をつづける間に自分のこれから行くべき道を見つける。ここにいたるまでにはかなり危ない事態にも遭遇する。でも、なんとか持ちこたえたのは父雅忠の遺言があったからだろう。これはその後の彼女の生きる指針となった。
自分を心から愛してくれた人がいたという気持ちというのは、人間を窮地から救う。自分は一人なんだと思う瞬間があったとしても、自分を心から愛してくれた人がいたことに気付ければ、その人は助かるのではないだろうか。

気付けるか、気付けないか、それはその人次第である。

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