その63 落葉の宮
久しぶりに源氏物語。今回は、最初に柏木の妻になり、柏木亡き後、夕霧の(妻)になった落葉の宮のことを書いてみたい。
源氏物語に不幸な女性は数あれど、この人ほど気の毒な人も少ないのではないだろうか。
初めは柏木が源氏の正妻になった女三宮の身代わりに姉妹である彼女を妻にした。しかも恋のために盲目になっている柏木は、ひたすら女三宮を恋するあまり、彼女のことを「なんでこんな落ち葉のような人をもらってしまったのか」などと嘆いている。さらに、女三宮の飼っていた猫を貰い受けて愛玩している。そんな夫をもったら、その寂しさは例えようがないだろう。
柏木の死後はさらに気の毒だった。柏木の親友である夕霧に恋慕されて、また彼が無粋なために、ひょんな誤解から窮地に立たされてしまった。
実際、最初は拒否して何もなかったのに、朝帰る夕霧をみとがめられ、それを悲観した母親に死なれて頼る人も無く、宮本人がいくら拒否していても、そばについている女房たちは皆夕霧の世話になればいいと思っている始末。さらに、実際には拒否しつづけているにもかかわらず、世間には事実上の夫婦とみなされ、そのために柏木の父母に疎まれ、その上、夕霧の妻は柏木の妹という…まさに四面楚歌。
結局はなるようになった訳だけれど、このエピソードが書かれた「夕霧」という巻を読んでいるとき、まるで自分のことのように夕霧に対して腹が立つのだ。







