その42 定・吉・2人きり
渡辺淳一は、阿部定にとても興味を持っている。いや、定自身よりも、その相手の吉蔵にあこがれに近い感情をいだいているのかもしれない。このままだと定に殺されるかもしれないとわかっていながら逃げなかった吉蔵に。
突っ走る女性の意思を、逃げ腰にならずに受け入れることができれば、それはその女性を愛しているということだというのが渡辺淳一の思想なのかなと、文学館でのビデオや、そこで購入した本を読んで思った。
文学館で購入した本は、『渡辺淳一の世界』という集英社で発行しているもので、直筆のサインが入っている。 A4で250ページ以上あるとても重い本だ。この中には書き下ろしの短編まで入っている。なかなか読み応えのある本だ。
そういえば、失楽園でヒロインを演じた黒木瞳が、98年にSADAで阿部定の役を演じている。







