その12 朧月夜尚侍と玉鬘
源氏物語。初めて自分の意志で読んだとき、なんて面白い物語だろうと思った。そして、紫式部のすごさに感嘆した。
「雨夜の品定め」や、源典侍のシーンを読んだ時は、紫式部は男ではないかと思った。
ところで表題の件、わたしは源氏物語の女性登場人物で、このふたりにとても興味がある。奇しくも2人とも「尚侍」という、女性として最高の官職についた人である。
玉鬘は頭中将と夕顔の娘であり、成長して源氏に引き取られ、成人式で初めて実の父に対面し、腰結いの役をしてもらう。結婚については、帝にあこがれていたが、心ならずも一番気の進まない、髭黒と結婚するはめになる。でも、結婚は不本意だったが、その後はまじめな夫に愛され、帝との関係抜きで女性として最高の官職に付き、結婚後は夫もどんどん昇進し、押しも推されぬ北の方として幸せな人生を送る。そこに至るまではいろいろあったが、夕霧の妻、雲居の雁と並んで登場人物のなかで最も幸せな女性だと思う。この幸せは源氏に言い寄られた時のやり過ごし方等、彼女の頭のよさ、人の扱いのうまさによるものと思われる。なかなかできることではない。尊敬する。
それに対して、朧月夜の尚侍。この人は右大臣の六の君で、本当は朱雀帝に嫁ぐはずだったのが、源氏との恋のため、尚侍として出仕する。それでも帝の寵愛を一身に受けることになる。
その時点で彼女の話は終わりかと思えばそうではない。その後朱雀院が出家してからも源氏との恋人関係は続く。そのような中、源氏からはだんだん軽くみられるようにもなっていった。でも最後は自分の源氏にとっての位置を思い、きっぱりと源氏を振り切る。
私はこの朧月夜尚侍に一番魅力を覚える。色気があって、情熱的で…。最後には、当時の女性が自分の誇りを守る唯一の方法を行使するところまで含めて。
他の人は、どのような登場人物に興味をひかれるのだろうか。







