とり残された村、チャンパサック
火曜日, 5 月 12th, 2009

南ラオスの田舎町(というか村だ)チャンパサックに行った時、「とり残された場所」だと思った。
時代にとり残されたような、とは使い古された表現であまり好きではないけれど、
この村に足を踏み入れた時、肌で、目で、薫りで、とにかく全身でそう感じたのだ。
パクセーから30キロ南下し、広大なメコン川を船で渡った所にあるこの村は、
東はメコン川、西は連なる山々とその先にタイとの国境、つまり完全に山と川に挟まれている。
パクセーも田舎ではあるが、ここでは、カフェもバーもコンビニもあるパクセーがとっても都会に感じる。
ここに来たのは、ワットプーという2001年に世界遺産に登録されたクメール(のちのカンボジア)遺跡を見るため。
ラオス語で「ワット(=寺)プー(山)」というこのヒンドゥー教寺院は、
5〜15世紀にかけて栄えた都市の中心であり、現在でもラオス人の厚い信仰を集めている。
用水路でバシャバシャ遊ぶ子供たちを通りすぎ、
キラキラした「日本むかしばなし」的田園風景を越え、
人より牛の数の方が多いんじゃないかと思うほどに静まり返る村の中心部をバイクで抜け、
山の中腹にあるこの遺跡へと向かった。
姿形はアンコールワットに近いものの、土産物屋もなく、ただ一軒無機質な博物館が申し訳程度にあるだけな地味な遺跡だ。
上を目指し、石畳をつらつらと歩く。
ただ赤茶けた石の上を「見所あんまないなぁ〜」と思いながら歩く。
そして階段を全て上りきった時、眼下に広がったパノラマ。
決してきらびやかではないが、「ただそこにある」というかたくななまでの美しさに心が打たれた。
森の奥にひっそりと佇む遺跡は、今日も静かに輝く。

