谷中。らくだのいるギャラリー「HIGURE 17-15 cas」
火曜日, 11 月 24th, 2009
学生時代によくお世話になった谷中に行ってみた。
昔ながらの町並みが残るこのエリア。
ここ3・4年で、カフェやギャラリー、本屋、手作りの鞄屋など、ハイセンスな店舗がぞくぞく増えていて、
めっちゃ楽しいことになっているのだ。
「本当さぁ最近、谷根千(谷中、千駄木、根津の総称)ブームがすごくて…」と、谷中在住歴8年の友人はつぶやく。
近所に点在する、古くて小さなパン屋や商店が、土日は観光客でごったがえすほど。
今や、ジャージ姿でふらりと買い物に出ることもできなくなってしまったとか。
しかし、古いものを上手に残しながら、改革されている町並みは本当にお見事。
古民家を巧みに蘇らせたカフェ、趣たっぷりの縁側付きの自宅を使い、ミニ盆栽や苔玉を売るお店、
落ち着いたスペースで読書ができる木目調の本カフェ…、などなど。
どのお店も、うまーく谷中の町並みにとけ込んでいるのだ。
人口密度は高くなったものの、やはり古いものを愛する人が集まる、というのは昔も今も同じ。
そんな考えを巡らせつつ、谷中散策を満喫。
途中、面白い所に連れて行ってもらった。
屋上になぜからくだの置物が立つ「HIGURE17-15 cas」というアートギャラリー。
以前工場だったのをそのまま生かした内装は、無機質で、白くて、四角く、工場独特のひんやりとした空気が漂う。
公開されていたのは「廣田緑 Memory of Asia~お爺ちゃんの時代~」というインスタレーション。
”第二次世界大戦を経験した祖父の記憶を共有したい”という作者の思いから生まれたこの企画、
名前は「交換プロジェクト」。
フィリピン、インドネシア、日本各地に赴き、作者の祖父と同世代の人に会っては、手作りの木彫りのヒト型人形を、それぞれ相手の物と交換し、集まった交換物を会場にズラリと並べているのだ。
おじいちゃんたちの戦争の記憶をヒト型人形と交換してもらい、会場に並べることで、
記憶の交流を具体化させるのが目的なんだそう。


猫の置物、プラスチックのキーホルダー、潜在、稲穂、短くなるまで使った鉛筆…。
交換物がズラリと並ぶだけのシンプルな展示だったが、そこには深い意味のある記憶の集結が。
中にはたいして意味のない物も含まれているものの、海をこえ、時間をこえ、旅して来た物たちは非常に大切で。
ひとつひとつが丁寧に、小さな座布団の上に置かれていた。
作者の戦争への真っすぐな思いが感じられた、興味深いインスタレーションだった。
先月より1ヶ月間公開されていたこの展示は、残念ながら先週で終了。
しかし、次々にユニークな展示が開催されるそうなので、また行ってみようっと。
