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22000系電車(22000けいでんしゃ)は、近畿日本鉄道特急形車両「ACE」(読み方については後述)の愛称が与えられている。AはAdvanced、CはComfortableまたはCommon、EはEasy-operationまたはExpressの頭文字から与えられている。22000系はグッドデザイン賞も受賞している。


本項ではその狭軌仕様である16400系についても記載する。



22000系

1992年3月に、それまで汎用特急車両として使用されていた、10400系、11400系「エースカー」の老朽取替を目的に製造された。つまりACEは新世代のエースカーという位置付けが出来る。また、12400系など「サニーカー」シリーズから大幅にモデルチェンジした汎用特急車両である。


車体断面は卵形で、車内の天井高さを充分に確保するべく屋根巻き上げ半径を小さくし、構体高さを高めている。床部分にはアルミパネルを採用して工程の簡略化も行われている。12200系など既存特急車との併結を行うために、前面にはスイング式の幌カバーの付いた貫通式を採用、デザインも大きく一新している。特急標識はなくなり、向かって左側の窓内に方向幕を設置している。方向幕は行先のみの表示で、1次車の製造当初は黒地に白文字でローマ字表記もされていたが、まもなく赤地に白文字に変更された。側面方向幕は各乗降扉脇にあり、号車番号表示も設置している。


VVVFインバータ制御三菱電機製)を特急車両としてはじめて採用。主電動機は三菱製135kWの誘導電動機で、1台の制御装置で8台の主電動機を操作するオール電動車とし、最高速度130km/hを実現している。補助電源装置(DC-DCコンバーター)と空気圧縮機は2両に1台ずつの搭載とし、故障時には他車からのバックアップが可能である。


冷房は、屋根上に準集中式クーラーを2台と、荷棚下にスポット式の吹き出し口用のクーラーを1台併設する。暖房は一般的なシーズワイヤー式である。


台車は、高速運転のための走行性能の向上・軽量化・保守の軽減を目的として新しく設計されたボルスタレス形のKD-304形を採用した。電気指令式ブレーキを採用したが、電磁直通ブレーキの在来車と併結するため、ブレーキ読替装置を搭載する。車軸には薄型のディスクブレーキが装備され、ブレーキ力の強化も図った。


座席の転換も伝統の背起こし式からペダル式へ変更され、リクライニングの駆動方式もメカ式から油圧式になった。テーブルはひじ掛けの蓋を開けて引き出す方式、足置き台は新幹線100系電車の普通車で採用されたのと同様の形状である。また座席幅も従来車より広げられ、シートピッチ(座席前後の間隔)は1000mmである。


21000系アーバンライナー23000系伊勢志摩ライナーと同じ車内チャイムを持っていたが、1999年3月からは特急券の回収方法の変更により使用していない。側面窓はガラス外付けの連続窓を採用。側扉は従来の二枚折り戸からプラグ式に変更され、密閉性を高めている。外部塗装は10000系以来のオレンジとブルーを基本としているが、車端部の窓のない部分では愛称名のイニシャル「A」を浮かび上がらせたブルーのストライプでアクセントをつけている。前面はオレンジ1色となった。


2両編成と4両編成がある。4両編成は難波寄りからモ22100-モ22200-モ22300-モ22400と組成。2両編成は難波寄りからモ22100-モ22400と組成。4両編成と2両編成が混在する中で番号をそろえるため、中間車のモ22200・モ22300は欠番が大量に発生している。なお第22編成は2両編成のため「モ22222」という車両は存在しない。


4両編成の車両には、近鉄の鉄道車両としては初の車椅子対応シートと車椅子用トイレが設置(モ22200形)されている。トイレはいずれも洋式便所と男子小用便所の組み合わせとなった。汚水処理は循環式である。パンタグラフは下枠交差形のPT-48形を採用。4両編成はモ22100とモ22300に各1基ずつ装備(母線引き通し)しているが、2両編成はモ22100形に2基装備している。


1994年までに86両が製造されたが、その後は23000系の増備や30000系など既存車両の車体更新、特急利用客の減少などから増備は行われていない。ただし当初計画では1995年までに合計112両製造される予定であった。しかしながら他私鉄ではこの後、本形式に類似した前面貫通・平屋ボギー構造・連窓風の側窓というスタイルで小田急30000形名鉄1600系などの特急車が登場している。


なお1993年に製作された22111Fは近鉄車両で在籍車両数(当時)2000両を初めて突破した車両として車内デッキ部の形式名板直下に記念プレートが取り付けられている。また同編成は1993年12月に2000両突破記念式典のイベント列車に充当されたことがある。


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<caption>編成表4両編成</caption>


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<caption>編成表(←近鉄難波駅、2両編成)</caption>



16400系

1996年(平成8年)登場。22000系(ACE)の狭軌仕様である。南大阪線吉野線吉野特急に使用されている。1965年(昭和40年)より運行している16000系の老朽取替を目的に製造された。


22000系の車体を基本としているが、近鉄車両としてはじめてIGBT素子によるVVVFインバータ制御装置(日立製)を採用している。従来のGTO素子のVVVFインバータ制御と比較して、素子の高速スイッチングが可能となったことで、中低速で走行時のインバータ制御特有のモーターのうなり音の低減を実現している。またモーターに流れる電流が滑らかとなり、主回路構成機器の小型軽量化を図っている。南大阪・吉野線では2両編成での単独運用が多いため、インバータ装置1基でモーター(三菱電機製160kw)2個を制御する1C2M制御×2とし、一方の回路が故障した場合でも自力走行を継続可能としている。また、22000系は全電動車編成だが、本系列はMc-Tcの編成を組む。


台車は、22000系を基本に狭軌用に改良されたボルスタレス形のKD-310形を採用した(当初はヨーダンパが取り付けられていたが、後に撤去された)。22000系と同様にブレーキ読替装置を搭載する。また、最高速度が抑えられていること等からディスクブレーキは搭載されていない。


吉野寄りからモ16400(Mc)+ク16500(Tc)と組成。モ16400形に主制御器、制動装置、パンタグラフを2基設置し、ク16500形に補助電源装置、空気圧縮機、汚物処理装置(真空式に変更)を設置している。22000系には車販準備室があるが、吉野特急では既に車内販売が廃止されていたため、16400系では省略されている。また、ク16500形には車椅子対応の客席とトイレ・洗面所が設けられている。


22000系は最高速度が130km/hだが、16400系は線路設備の関係上120km/hまでの対応となっている。しかし、現在のところ南大阪線・吉野線の最高速度は110km/hに抑えられており、その性能は今のところいかされていない。2両編成2本(4両)が在籍し、16000系初期車の01・02編成を置き換えたが、その後の増備は行われていない。しかし、16000系の置換目的で増備される可能性はある。

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<caption>編成表(←吉野駅、2両編成)</caption>



愛称

22000系・16400系の愛称は『ACE』とされているが、その読み方については2つあり「エー・シー・イー」と「エース」の読み方が混在している。当初近鉄としては前者の「エー・シー・イー」を読み方として採用していたようであるが、22000系が登場したのが「エースカー」と呼ばれた10400系11400系廃車に伴うの代替だったことや、呼びやすさ(語呂の良さ)などから「エース」と言う読み方ができた。最近では近鉄が監修もしくは協力した書籍・DVDなどでも「エー・シー・イー」と「エース」の呼び方が混在している。

また近鉄の現業機関の一部では、「New ACE(ニュー・エース)」を略して「NA(エヌエー)」と呼ぶ所もある。



関連商品

22000系についてはNゲージ鉄道模型で発売されている(グリーンマックス製品)。

関連項目



外部リンク


出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

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