惣流・アスカ・ラングレーって?
惣流・アスカ・ラングレー(そうりゅう アスカ ラングレー、SORYU ASUKA LANGLEY)は、『新世紀エヴァンゲリオン』に登場する架空の人物。声優は宮村優子。
プロフィール
人物
独3/4、日1/4のクォーターで、国籍はアメリカ。4歳の時にセカンドチルドレンに選出され、以降エリート教育を受ける。容姿端麗な美少女で、14歳にして大学卒業の天才であるのだが、劇中ではその知性はほとんど表されず、性格としては幼さが目立つ。彼女の口癖として有名なセリフである「あんたバカぁ?」は、当時としては非常に過激でセンセーショナルであり、話題になるとともに、演じた宮村優子の名台詞としても定着した。陽気な女性キャラクターとしては葛城ミサトと双璧で、碇シンジとの夫婦漫才のような掛け合いで、番組シリーズ中盤の物語を明るくするのに大いに貢献した。特に初登場の第八話~第十話まではエヴァンゲリオンの中でも極めてコメディ色が強く、彼女以外のキャラクターも明るさが強調されている。エヴァ自身も第九話で上半身が地面に埋もれている描写があるなど、笑いを強調された作風になっていて、後半と比べると、とても同じ作品とは思えないほどである。しかし、その明るさは実は非常に脆いものであり、物語が終りに近づくにつれ、次第に悲惨な運命をたどっていく。長所の裏返しではあるが、異常とも言える程プライドが高く、勝気で負けず嫌い且つ自意識過剰な性格。母親への思いが強く、EVA接触実験の失敗による後遺症で人形をアスカであると思い込み、自分を全く見てくれなくなった母親を振り向かせようと、様々な努力を重ねる。しかし、母が自殺してしまったことがトラウマになっており、「泣かない」「誰にも負けられない」という脆さと紙一重の強さを持った性格を決定づけた原因にもなっていた。アニメ版では女医と再婚した父親がいるが、漫画版では精子バンクで生まれた子になっている。また、シンジなどの相手を侮辱した発言も多い。
来日を機に、保護者にあたる葛城ミサト、碇シンジと同居。シンジとは生活を通じて口ゲンカをしながらも距離が近づいていく。彼を小馬鹿にした態度をとりながら、彼を気になる異性として見ている言動も多い辺り、彼女の心理の不安定さが表れている。「バカシンジ」の呼びかけも愚弄と同時に、次第に親愛のニュアンスが含まれるようになる。シンジも彼女の呼称を「惣流」から、親しみを込めて「アスカ」に変えていっている。劇場版「Air」の冒頭で、シンジが昏睡状態のアスカに甘えた際に、露になった彼女の乳房が画面一杯に映し出され、シンジのおかずにされてしまうシーンはファンに衝撃を与えた。両者は相互に甘えの対象になっている。しかし、彼のシンクロ率がアスカを超えたことを契機に関係が悪化、劇場版ではシンジへの愛憎入り交じった異様な執着心を見せ始めるようになる。ちなみに、シンジが自分をおかずにしていたことを知ったアスカは「バーカ、知ってんのよ。アンタがあたしの事オカズにしていた事。いつもみたくやってごらんなさいよ、ここで見てあげるから」とシンジに詰め寄った。同僚関係であるレイとシンジが「元の鞘」と言う程に以前から恋愛関係に見えて嫉妬していたり(DVD解説。また互換テストの際もシンジが「綾波の匂いがする」と言った発言に「何が匂いよ」と自覚なしに嫉妬心を見せていたり、出撃前に仲を探るような言動もしている)、「あんたが全部あたしのモノに」という発言からもかなり独占欲が強く嫉妬深い。
また、稀に卑猥な発言(漫画版で精子を連呼するなど)を平気でしでかすことがある。自意識過剰な性格で自分が入浴したり着替えたりする際シンジに「覗いたら殺すわよ」と脅迫する。そのため、ケンスケに「自意識過剰なヤツ」と冷たくあしられた。
強いあこがれを抱いていた加持リョウジに、来日前に胸をはだけてアタックをかけた(漫画は来日後)。しかし、結局その想いが報われることはなく、逆に加持にアスカの思いが愛ではないことを漫画版で諭されている。心理的に弱り切ったアスカにとって最後の支えとなっていたのが加持の存在であったが、ビデオフォーマット版第弐拾四話冒頭でシンジから加持の死亡の事実を聞かされ、これによって弐拾四話におけるアスカの心の崩壊が決定づけられた(エヴァンゲリオンクロニクルでは上記愛憎感情を向けるシンジから気遣いなく告げられたことも要因ではないかと示唆されてる)。なお、劇場版でシンジが「アスカにひどいことしたんだ」と独白するシーンがあるが、脚本の準備稿によるとこの加持の死をアスカに告げたことがそれであるとわかる。
当初から綾波レイを「ファースト」もしくは「優等生」、「人形」などと呼びつけ敵視しているが、EVAに乗ることにのみ自分の存在意義を見出しているという意味では、むしろレイと同類である。レイへの近親憎悪の他に、人形のような無機質な存在が母に関するトラウマを呼び起こさせるのも原因のひとつだった。
EVAシンクロ用のヘッドセットを髪留め代わりに常に装着するほどチルドレンであることに拘っている。しかし、次第にシンジよりシンクロ率が低下していったことで自信を失い、さらに使徒に敗北することで彼女のプライドはズタズタにされ、シンクロ率がマイナス状態になり、遂にEVAは起動しなくなった。第15使徒アラエルとの戦いで深い精神的ダメージを負ってしまった際、司令の碇ゲンドウが自分の価値をレイより軽視していると気付き、自信喪失は決定的になり廃人同然となる。これによってEVA弐号機パイロットはフィフスチルドレンの渚カヲルへと交代させられることになった。3人のEVAパイロットの中では、ゲンドウに最も見下されており、冷遇されていたようである。アスカが活躍する時は、ゲンドウ不在の時がほとんどだった。劇中一度もゲンドウと直接会話するシーンはなく(漫画版では一度だけゲンドウと会話したシーンが確認済みである)、対アラエル戦でゲンドウがレイをアスカの救援に向かわせた理由も、アスカの身を案ずるためではなく「今、弐号機を失うのは得策ではない」というものであった。
[惣流・アスカ・ラングレー]
劇場版第25話において、弐号機に母の魂が宿っていることを知ったことで一時的に立ち直り、戦略自衛隊やEVA量産機を相手に活躍を見せるものの、、弐号機が活動限界に達したため、復活したEVA量産機に敗北。左目に重大なダメージを受け、右手も切り裂かれた。劇場版の最後のシーンにおいて、シンジと共に生き残った描写がなされている。
人類補完計画中にシンジに首を絞められても抵抗せず、ラストシーンでも同様に殺されそうになっても、頬を撫でて手を差し伸べた。一方、漫画版においては「こんなのアスカじゃない。僕が守りたいのはこんな抜けがらみたいなアスカじゃないんだッ」と涙ながら訴えるシンジに対して、叫びながら彼の首を絞めている。
一般的にツンデレなヒロインの代名詞であるように言われるが、これには様々な異論がある。考えられる理由としては、劇中でシンジに対して明確にデレるシーンが無く、加持に対して人目憚らずデレるから。ただし、シンジへの内心に抱いてる愛情レベルまで達した恋愛的好意自体は確定と言えること(ツンデレではないという主張の大半がこれを把握してないものである)、シンジへの好意的態度も読み取れないというレベルではないこと等から、ツンデレとの指摘に理由は認められる。その為か、上記のゲームやそれに関連する書籍などでは、微妙にシンジやその周りの人間に対する態度が修正され、典型的なツンデレらしい性格になっている。これに対し、宮村優子はアスカについて「今で言うところのツンデレ。異性として気になるのはシンジだけど、なかなかそれを表に出すことが出来ない。」とコメントしている。その一方、劇中後半の精神崩壊の過程やEVA量産型との戦闘における鬼気迫る表情、追加されたシーンも含め終盤から描かれた昼メロドラマを思わせるシンジへの病的な執着心などから、「(ツンデレというより)ヤンデレでは」との指摘もある。ヤンデレ大全では彼女を前半はツンデレ、後半はヤンデレと時系列に分けて解説されており、これに従えばヤンデレキャラがツンデレを含むのは稀であり、珍しいタイプであると言える。尚、トウジやケンスケとは非常に仲が悪く、且つ彼らを毛嫌いしている(トウジやケンスケ本人もアスカを敬遠している。但し、漫画版ではケンスケはアスカに好意があるようだ。漫画版ではシンジをミジンコ、トウジをゾウリムシ、ケンスケをミトコンドリア呼ばわりしていた)。ちなみに、一人称は基本的に「あたし」を使用する。漫画版ではカヲルが登場した際カヲルが女子トイレを覗いたことからカヲルを「変態」呼ばわりしていた。基本的にシンジのことを「シンジ」と呼ぶが「バカシンジ」と呼ぶこともしばしばである(それなりにバカが好意的呼称の時もあるが)。漫画版では何回かシンジを「碇くん」と呼んでいた。「サイテー」が口癖。
余談だが、第弐拾弐話でアスカが踏みつけた猿のぬいぐるみは、アスカ役の宮村優子が当時書いていたイラストを基にしている。当時の宮村によると、弐拾弐話の収録前に庵野秀明から「ぬいぐるみは何が好き?」と聞かれ「お猿」と答えたら「今度それを踏み潰すから」と言われ、一瞬頭が真っ白になったという。理由は不明ながら、第弐拾弐話の冒頭1カットのみ、岩男潤子が声をあてている。
名前の由来
名前の由来は、大日本帝国海軍航空母艦「蒼龍(そうりゅう)」とアメリカ合衆国海軍航空母艦ラングレー(ただし沈没時は水上機母艦)、および、和田慎二の漫画『超少女明日香』の主人公・砂姫明日香から。Tips
- バンド「Speena」の楽曲『ジレンマ』は、劇場版でアスカがシンジに発した「あんたが全部アタシのものにならないなら、アタシ、何にもいらない」の台詞を核にした、アスカへのオマージュソングである。