『EXODUS』(エキソドス)は、2004年9月8日(日本)にリリースされたUtada(宇多田ヒカル)の世界デビューアルバム。
概要
あの「宇多田ヒカル」が名義も新たに「Utada」として全米デビューをするとあって発売当初日本ではかなり話題になり、ミリオンヒットを記録した。しかし米国では当初予定されていた大掛かりなプロモーションが行われず(実績などあるはずのない新人なら当たり前のことであるのだが)、肝心の米国では、日本人が国内では無敵の宇多田ヒカルに期待するほどの大ヒットにはならなかった。しかしながら、米国の
iTunes Music Storeでは最高位1位、
Amazon.comでは最高位32位を記録している。
アルバムは全曲英語詞。米国の大手レコードレーベルであるIsland Def Jam Music Groupと契約したのは2003年であり、日本での東芝EMIとは別系列のレコード会社と異例の同時契約を結んだことで話題となった。「Utada」が「宇多田ヒカル」とは別名義の洋楽アーティストとして扱われるのはそのためである。レコード契約から発売まで1年以上を要したのは、レコード会社の幹部が交代するなど環境の変化により、求められる作品のコンセプトが変わったことなどがあると言われている。
このアルバムは対訳を新谷洋子が行っているが、何故Utada自身が訳さなかったかについて、自分で翻訳を行うとつい韻や言葉遊びなどを考えてしまう為、本来の意味が伝わりにくくなる上に、宇多田ヒカルとしての日本語の歌に比べると劣るものになるのは不本意だからという理由で他の人に任せたということである。
レコード会社での分類が洋楽扱いであったため、オリコンでも洋楽扱いとなり、レンタルCDでは発売から1年間はレンタル禁止だった。但し、宇多田ヒカルと同一人物ということでCDショップやラジオ局によっては邦楽(J-POP)扱いされるケースも見受けられた。
日本では2004年9月8日に先行発売された。オリコンの初動売上は52.4万枚(洋楽史上最高)を記録。累計で107万枚を売り上げた。米国では10月6日に発売された。初動セールスは7105枚。発売1か月で約2万枚の売り上げ。最高位160位(ビルボード)。全世界での累計出荷枚数は135万枚(Universal Music)。
「Utada Hikaru SINGLE COLLECTION VOL.1」と合算すれば、年間セールスのトップとなる400万枚前後を売り上げたことになるが、上記の理由により日本ゴールドディスク大賞の邦楽アーティスト・オブ・ザ・イヤーの対象にならなかった(邦楽はORANGE RANGE、洋楽はQUEENが受賞)。
宇多田ヒカルは2007年に雑誌のインタビューでUtada名義の2ndアルバムについて、そろそろやらなきゃいけないと思っているというような発言をしている。また、2007年9月27日の本人の日記で、「ニューヨークでこっちのレコード会社(ユニバーサル)の人たちと、次の英語アルバムについてあれこれミーティングをしていたんですよ。」と書き込みしていることから、2ndの構想はまとまりつつあるようだ。その後、宇多田ヒカルとしての日本語アルバムと同時進行で製作していることも書き込んでいる。
2005年に入ってから、MTVジャパンが立ち上げた携帯電話向け音楽・動画配信サイト「FLUX」のタイアップに全収録曲が使用された。アニメーションはSTUDIO 4℃のアニメーター森本晃司らが担当し、独創的な世界観は高く評価された。「Opening」のアニメーションに似たものが、宇多田ヒカルの「Passion~single version~」のPVにも使われている。そして2007年現在、自身のブログにおいてUniversal Musicの社員たちと次の英語アルバムについて、ミーティングなどをしていた事から、utada名義の2ndアルバムの制作を催すような雰囲気が伺える。そして2007年10月23日自身のブログにおいて次の日本語アルバムと英語アルバムの創作段階に入ったことを明らかにした。
収録曲
- Opening (オープニング)
- Devil Inside (デヴィル・インサイド)
- : 米国でのリードトラック。リミックスがビルボードのクラブチャートで1位を獲得。
- Exodus '04 (エキソドス '04)
- : 米国ではシングルカットされた。
ティンバランドプロデュース。
- THE WORKOUT (ザ・ワークアウト)
- : この曲の歌詞について、Utadaは「いやらしくて歌うのが恥ずかしい」と述べている。また、歌詞を書いている際はその事についてまったく意識していなく、後になって気づいたということである。
- Easy Breezy (イージー・ブリージー)
- : 日本ではアルバムのリードトラックとして使用され、多くの番組でも使用された。シングルCDではなくDVDとして2004年10月6日に発売された。また後にニンテンドーDSのCMソングとなる。
- :"she's got a new microphone"という歌詞が含まれているが、これは実際にUtadaが初めて新しいマイクを購入し、歌入れの際に何気なく口ずさんでいたところ、それを気に入ってしまったという経緯がある。
- Tippy Toe (ティッピー・トウ)
- Hotel Lobby (ホテル・ロビー)
- :第三者からの視点で歌われた曲で、ミラン・クンデラのようだと言われたらしい。
- :Kiss & Cryにこの曲のメロディが一部使われている。
- Animato (アニマート)
- :アルバムの中で最初に作られた曲。アニマートとは「活き活きと」や「元気に」を表す譜面などに使用される音楽用語である。また、この曲のみUtada本人が対訳を行っているが、これはこの曲の歌詞がシンプルな作りになっており、何とでも解釈ができる為、自分で翻訳するべきだとUtadaが判断したためである。
- Crossover Interlude (クロスオーヴァー・インタールード)
- :この曲はopningをリミックスしたものである。
- Kremlin Dusk (クレムリン・ダスク)
- : マーズ・ヴォルタのドラマージョン・セオドアが参加。
- You Make Me Want To Be A Man (ユー・メイク・ミー・ウォント・トゥ・ビー・ア・マン)
- : 2005年秋にアルバムがイギリスで発売される際に先行シングルとして発売された。紀里谷和明の監督によるプロモーションビデオも撮影された。
- Wonder 'Bout (ワンダー・バウト)
- : ティンバランドプロデュース。
- Let Me Give You My Love (レット・ミー・ギヴ・ユー・マイ・ラヴ)
- : ティンバランドプロデュース。
- About Me (アバウト・ミー)
- :このアルバムの中で唯一のミディアムバラードである。
- You Make Me Want To Be A Man (Bloodshy & Avant Mix) (全英ボーナス・トラック)
- You Make Me Want To Be A Man (Junior Jack Mix) (全英ボーナス・トラック)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
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