茨木のり子を吉永小百合が。
地デジカが来ていないのでラジオをつける。
すると
吉永小百合さんが村治佳織の生ギターに茨木のり子の詩を朗読していた。
すごい。
「わたしが一番きれいだったとき」「自分の感受性くらい」「倚りかからず」はあらためて
「女の子のマーチ」と「梅酒」は初めて
驚いた。
今、ここで生まれた言葉みたい。
生まれた瞬間に立ち会っちゃったみたいに、目の前で起きてるみたいに
聞こえる。
吉永小百合ってひとはすごいんだなぁ。
やっぱりすごいんだなぁ。
「女の子のマーチ」
男の子をいじめるのは好き
男の子をキイキイいわせるのは好き
今日も学校で二郎の頭を殴ってやった
二郎はキャンといって尻尾をまいて逃げてった
二郎の頭は石頭
べんとう箱がへっ込んだ
パパはいう お医者のパパはいう
女の子は暴れちゃいけない
からだの中に大事な部屋があるんだから
静かにしておいで やさしくしておいで
そんな部屋どこにあるの
今夜探検してみよう
おばあちゃまは怒る 梅干ばあちゃま
魚をきれいに食べない子は追いだされます
お嫁に行っても三日ともたず返されます
頭と尻尾だけを残し あとはきれいに食べなさい
お嫁になんかいかないから
魚の骸骨みたくない
パン屋のおじさんが叫んでいた
強くなったは女と靴下 女と靴下ァ
パンかかえ奥さんたちが笑ってた
あったりまえ それにはそれの理由(わけ)があるのよ
あたしも強くなろうっと!
あしたはどの子を泣かせてやろうか
「梅酒」
梅酒を漬けるとき
いつも光太郎の詩をおもいだした
智恵子が漬けた梅酒を
ひとり残った光太郎がしみじみと味わう詩
そんなことになったらどうしよう
あなたがそんなことになったら…
ふとよぎる想念をあわててふりはらいつつ
毎年漬けてきた青い梅
後に残るあなたのことばかり案じてきた私が
先に行くとばかり思ってきた私が
ぽつんと一人残されてしまい
梅酒はもう見るのも嫌で
台所の隅にほったらかし
梅酒は深沈として醸されてとろりと凝った琥珀いろ
八月二十八日
今日はあなたの誕生日
ゲーテと同じなんだと威張っていた日
おもいたって今宵はじめて口に含む
1974年製の古い梅酒
十年間の悲しみの深さ
グラスにふれて氷片のみがチリリンと鳴る
素敵だったので、書いておく。