ちひろは泣く
ちひろは泣く
腹が減ったと
ちひろは反る
抱っこをしてくれと
ちひろは笑う
何が気に入ったのかわからないけど
あかんぼうが笑うと
ほっとする
許された気持ちになる
この世界は悪くないと思う
悪くない世界に私もいるのだ
その世界を抱きしめる
わがままなんだから
とお姉ちゃんは言う
眠たければ眠ればいいじゃん
とお姉ちゃんは言う
お姉ちゃんの右手が腕が体が
ちひろを支えている
おおきくてあったかくておおきなお姉ちゃん
わたしよりも10cm
も
ちいさいお姉ちゃんは
わたしに耳だけ貸してくれて
わたしはわたしの話をする
わたしは口を動かしながら
お姉ちゃんが光の中できらきらしているのを
ぼーっと見ている
きれい
いつの光も彼女を温める
ちひろよりも
眩しいお姉ちゃん
ちひろのひかり
かのじょのひかり
けらけら笑う二人の間に何があるのかわからない
わかることなんてとても少ない
ただそのふたりの笑顔に
こちらも笑ってしまうだけ
それでいいんだと思う