熱気
家にもどり
3時間後に洗濯機をセットし
タオルをバッグに入れて
自転車に乗る
こんな暑い日は銭湯。
朝、家を出たときに思い、1日ずっと思っていた。
銭湯に行くため、坂をのぼる、自転車で。
銭湯に行くため、汗をかく。
ついつい耐え切れず、せっかく登った坂を降りる角を曲がる。
ぐんぐん降りる。
すると、祭りの真ん中に出た。
阿波おどり。そこは熱気ムンムン。
大の大人が、この暑い中、踊り狂っている。
ヤットサーヤットサーと声そろえ、笑いながら、汗をかきかき、やってくる。
ちょっと狂気じみた、いや、狂喜乱舞の状態ではないか。
千と千尋の神隠しのドンちゃん騒ぎや
パプリカの夢の中の行列を思い起こす。
何のために踊るのか。
その昔は踊念仏だったのか。
熱いから踊るのか。
暑い中踊ることで気持ち高ぶり、さわやかに正しく狂うためだろうか。
見ているものをも巻き込んで
踊る阿呆は去っていく。
見る阿呆はふと手に持ったタオルを見つめ
にわかに高ぶった自分を風呂に入れる。
おばあちゃんが壁越しに男湯にいる子供か孫にシャンプーを渡す。
その光景をじぃっとみつめる3歳児。
しわしわおばあちゃんが伸びていく。
そしてしぼむ。
いろんなものがおおきくなったりちいさくなったり。
風呂を出るとお囃子はもうどこか遠くになっていて
もしかしたら私の耳の中でなっているだけかもしれなかった。