ことばのしっぽ
ことばのしっぽさえもつかまえられないので
つかまえないことにした
思わないうちにことばにしてしまう
うそでもかまわない
一度書いたら消さない
ことにした
わたしはキーボードを打つ音が大きい
そんなに打っていないのに
気持ちは仕事した気分になる
なんに置いてもそうだけれどお手軽なのだ
わたしの机には「モリゾウ」がいる
愛・地球博の「モリゾウ」だ
「モリゾウ」のことを気に入っている
後姿がいい
でも名前が出てこない
まず「キッコリ」と思う
「キッコリ」は相方のほうで
「キッコリ」と思うと
「マッコリ」とおんなじで
「モッコリ」かと思う
でも愛・地球博だから違うと思い考え直して
やっと「モリゾウ」が出てくる
毎回である
日に何度もである
そうすると真面目なわたしもにやけてくる
こんなことばかりしているわけではなくて
いろいろ難しいこともしている
ふと気づくと
息がしづらくなっているので
何か楽しいことでも思おうとする
するとすぐにちょっと楽しい気分になる
お手軽なのだ
そんなことをしていると
「大丈夫?」とか「どうかした?」と聞かれる
大丈夫と聞かれるということは傍目には大丈夫ではなく
どうかしているのだ
どうかしているのか、と聞かれれば
「ちょっと大変だったので思い出し笑いをしていたところです」
と答えようとする
ちょっと待った
思い出し笑いというのは
今ではなく昔あったことをわざわざ思い出して
一人でそれを反芻するのであり
わたしはこの行為自体に何かとてもいやらしいものを感じる
だから答えるべきは
「わたし、えっちぃんです」
なのだ
でもそれもきっと傍目からみたら違うんだろうと思って
まだ答えないでいる
ロックには至れないでいる