3月になって、やっと仕事が決まり、すると家が決まり、卒業する、住民票を移す、みなさんにあいさつしないと……。とにかく自分でしなくてはいけないことが山ほどある。今日も朝から駅へと足早で歩いていた。
構内にはいると、急ぐ人々の音に混じって、はしゃぐ明るい声が響いている。毎日毎日ちからいっぱいいきる幼稚園生の団体だ。誰からともなく歌を歌い始める。するとまもなく大合唱。
「どっきどきのいちねんせー
どっきどきのいちねんせー」
目の前が急に広がった思いがした。どきどきしよう。大変だって思おう。ちからいっぱい生きるしか方法はないんだから。さーくらさいたら……。