12 月
18

発表の原稿

Posted by a6hootazemi in たっち


今日はゼミに間に合わなかったので、前回の発表分と、今日持っていく予定だったものを載せます。(A4用紙で10枚分です。)

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第一章 「コミュニティ・スクール」とは

 

第一節 コミュニティ・スクールの基本理念

 

現在の公立学校は、文部科学省から都道府県教育委員会、都道府県教育委員会から区市町村教育委員会、区市町村教育委員会から各学校という位置付けにある。各学校は、文部科学省や都道府県教育委員会、区市町村教育委員会のような上の機関に従っているという状態であり、教員人事などにおいても都道府県が権限を握っている。そのため、公立学校では文部科学省や教育委員会による統率の下で、全国画一的な教育が行われている。コミュニティ・スクールの目的は、各学校の位置づけを、縦型になっている組織の末端ではなく、各学校が存在する地域コミュニティの一部であると考え、学校は上の機関によって統率されるのではなく、地域コミュニティの住民参加によって組織された「学校運営協議会」の支援や評価を受ける事によって、学校が自立的に運営される仕組みにしようというものである。つまり、学校と学校運営協議会(地域社会)が協力関係をもつことによって、その地域に根ざしたよりよい学校をつくろうというのが、コミュニティ・スクールの基本理念であり、学校教職員、保護者、地域住民といった人々が、「自分たちの地域の学校をこんな学校にしたい。こんな教育をしたい。」といった志をもちながら、「地域ぐるみ」で学校をつくるという、新しいタイプの公立学校である。

コミュニティ・スクールは、2000年に慶應義塾大学の金子郁容[1]氏がインターネット上に開設した、「教育改革ラウンジ」という掲示板での議論から誕生した。その掲示板での議論が発展し、200012月に金子郁容氏、鈴木寛[2]氏、渋谷恭子氏らによって、著書『コミュニティ・スクール構想』の中で具体的な形にまとめられ、当時、小渕内閣によって設置された私的諮問機関である「教育改革国民会議」にも提案され、話し合われた。

その後、教育改革国民会議は、20009月の中間報告で「新しい時代にふさわしいタイプの学校を地域独自のニーズに基づき、地域が運営に参画する新しいタイプの公立学校(コミュニティ・スクール)を市町村が設置することの可能性を検討する。」として、コミュニティ・スクール設置の可能性を盛り込み、12月の最終答申でコミュニティ・スクールの設置を促進することが提言された。

 




資料① 教育改革国民会議中間報告「教育を変える17の提案」(2000.9) ※一部抜粋

 

「新しい時代にふさわしいタイプの学校を地域独自のニーズに基づき、地域が運営に参画する新しいタイプの公立学校(コミュニティ・スクール)を市町村が設置することの可能性を検討する。これは、市町村が校長を募集するとともに、有志による提案を市町村が審査して学校を設置するものである。校長はマネジメント・チームを任命し、教員採用権を持って学校経営を行う。学校経営とその成果のチェックは、市町村が学校ごとに設置する地域学校協議会が定期的に行う。」[3]




 

教育改革国民会議からの提言を受け、文部科学省などの政府機関ではコミュニティ・スクールの検討が進み、20046月の法改正で、「学校運営協議会制度」ができた。この制度によって、地域住民や保護者の代表が学校運営協議会の一員として学校運営にかかわることが可能となり、このような学校を「コミュニティ・スクール」と呼ぶようになった。しかし、200012月に『コミュニティ・スクール構想』の中で示されたものを「オリジナルのコミュニティ・スクール像」とすれば、こちらはその考え方の一部を反映させた形となっており、現在存在するコミュニティ・スクールは「学校運営協議会制度によってできたコミュニティ・スクール」といったものになるだろう。この論文では、この「学校運営協議会制度によってできたコミュニティ・スクール」を「コミュニティ・スクール」として扱いたいと思う。

 




資料② 学校運営協議会規則例 ※各自治体の学校運営協議会規則を参考に作成。

 

(目的)

1

この規則は、地方教育行政の組織及び運営に関する法律(昭和31年法律第162号)第47条の5に規定する学校運営協議会(以下「協議会」という。)について、必要な事項を定める。

 

(趣旨)

2

協議会は、学校運営に関して○○市教育委員会(以下「教育委員会」という。)及び校長(園長を含む。以下同じ。)の権限と責任の下、保護者及び地域住民の学校運営への参画の促進や連携強化を進めることにより、学校と保護者、地域住民等と信頼関係を深め、一体となって学校運営の改善や児童生徒の健全育成に取り組むものとする。

 

(指定)

3

1 教育委員会は、前条の目的が達成できると認める場合には、協議会を置く学校を指定することができる。

2 教育委員会は、前項の指定を行おうとするときは、指定しようとする学校の校長、保護者及び地域住民の意向を踏まえ、前項の指定を行うものとする。

3 指定の期間は3年とし、再指定することができる。

 

(所掌事項)

4

1 3条第1項の指定を受けた学校(以下「指定学校」という。)の校長は、次の各号に掲げる事項について、毎年度基本的な方針を作成し、協議会の承認を得るものとする。

(例)

1)教育課程の編成に関すること

2)学校経営計画に関すること

3)組織編成に関すること

4)学校予算の編成及び執行に関すること

5)施設管理及び施設設備等の整備に関すること

2 指定学校の校長は、前項において承認された基本的な方針に従って学校運営を行うものとする。

 

(意見の申し出)

5

1 協議会は、当該指定学校の運営全般について、教育委員会又は校長に対して、意見を述べることができる。

2 協議会は、当該指定学校の職員の採用その他の任用に関する事項について、教育委員会を経由し、△△県教育委員会に対して意見を述べることができる。

 

(委員の任命)

6

1 協議会の委員は○名以内とし、次の各号に掲げる者のうちから、教育委員会が任命する。

(例)

1)保護者

2)地域住民

3)当該指定学校の校長

4)当該指定学校の教職員

5)学識経験者

6)関係行政機関の職員

7)その他、教育委員会が適当と認める者

2 委員の辞職等により欠員が生じた場合には、教育委員会は速やかに新たな委員を任命するものとする。

3 委員は、特別職の地方公務員の身分を有する。

 

(守秘義務等)

7

1 委員は、職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後も同様とする。

2 前項のほか、委員は、次の各号に掲げる行為をしてはならない。

1)委員たるにふさわしくない非行を行うこと

2)委員としての地位を営利行為、政治活動、宗教活動等に不当に利用すること

3)その他、協議会及び指定学校の運営に著しく支障をきたす言動を行うこと

 

(任期)

8

1 委員の任期は○年とし、再任を妨げない。

2 6条第2項により新たに任命された委員の任期は、前任者の残任期間とする。

3 1項及び第2項の規定にかかわらず、指定学校の指定の期間が満了したとき又はその指定が取り消されたときは、委員はその身分を失う。

 

(報酬)

9

委員の報酬は、別に定める。

 

(会長及び副会長)

10

1 協議会に会長及び副会長を置き、委員の互選により選出する。

2 会長が会議を招集し、議事を掌る。

3 副会長は、会長を補佐し、会長に事故あるとき又は欠けたときは、その職務を行うものとする。

 

(議事)

11

1 協議会は、会長が開催日の7日前までに、議案を示して招集する。ただし、緊急を要する場合においては、この限りでない。

2 協議会は、過半の委員の出席がなければ会議を開くことができない。

3 議事は、出席委員の過半数で決し、可否同数のときは会長の決するところによる。

4 議決事項について、利害を有する委員は、当該議決事項に関して議決権を有しない。

5会長は、会議録をし、保管しなければならない。

 

(会議の公開)

12

1 協議会の会議は、次に掲げる場合を除き公開する。

1)当該指定学校の職員の採用その他の任用に関する事項について審議する場合

2)その他、特別の事情により、協議会が必要と認めた場合

2 会議を傍聴しようとする者は、あらかじめ、会長に申し出なければならない。

3 傍聴人は、会議の進行を妨げる行為をしてはならない。

 

(研修)

13

教育委員会は、委員に対して、協議会の役割及び責任、並びに委員の役割及び責任等について、正しい理解を得るため必要な研修等を行うものとする。

 

(指導及び助言)

14

1 教育委員会は、協議会の運営状況について的確な把握を行い、必要に応じて協議会に対して指導及び助言を行うものとする。

2 教育委員会及び当該指定学校の校長は、協議会が適切な合意形成を行えるよう、必要な情報提供に努めなければならない。

 

(指定の取消し)

15

1 教育委員会は、前条による指導及び助言にもかかわらず、次の各号のいずれかに該当する事由が発生した場合は、学校の指定を取り消さなければならない。

1)協議会としての活動の実態がないと認められる場合

2)協議会としての合意形成が行えないと認められる場合

3)その他、学校の運営に著しい支障が生じ、又は生ずるおそれがあると認められる場合

2 指定の取り消しに当たっては、教育委員会は事前に校長と連携して協議会に対し必要な指導、助言を行い運営改善に努めなければならない。

3 教育委員会は、学校の指定を取り消す場合には、取消事由を明示した書面を交付しなければならない。

 

(委員の解任)

16

1 教育委員会は、本人から辞任の申し出があったときのほか、次の各号のいずれかに該当すると認められるときは、委員を解任することができる。

1)第7条の義務に違反したとき

2)委員が心身の故障のため職務を遂行することができないとき

3)その他、解任に相当する事由が認められるとき

2 校長は、委員が前項各号のいずれかに該当すると認められるときには、直ちに教育委員会に報告しなければならない。

3 教育委員会は、委員を解任する場合には、その理由を示さなければならない。

 

(運営に関する評価と情報提供)

17

1 協議会は、学校の運営状況等について毎年度1回以上の評価を行うものとする。

2 協議会は、保護者、地域住民等に対して、積極的に活動状況を公開するなど情報提供に努めなければならない。

 

(運営等)

18

協議会は、法令及び教育委員会が定める規則並びにその設置目的に反しない範囲において、運営に必要な事項を定めることができる。

 

(委任)

19

この規則に定めるもののほか、必要な事項は、教育委員会教育長が別に定める。

附則

この規則は、公布の日から施行する。[4]





第二節 『コミュニティ・スクール構想』について

 

 200012月に、金子郁容氏、鈴木寛氏、渋谷恭子氏らの著書『コミュニティ・スクール構想』で示されたコミュニティ・スクール(「オリジナルのコミュニティ・スクール像」)は、20046月の法改正で学校運営協議会制度ができたことによってスタートした「学校運営協議会制度によってできたコミュニティ・スクール」の契機となる提案となったものであるが、以下のような5つの特徴をもっている。

 


①地域住民が望ましいと思う人物を校長として担ぎ出したり、熱意のある人物が校長として名乗り出たりする。

②親や子どもはコミュニティ・スクールについて学校選択ができる。

③教員人事は学校ごとに決める。

④カリキュラム、教材、クラス編制などについては各学校が決める。

⑤学校の方針や教育活動の成果については情報が開示され、地域学校協議会によって評価される。


 

オリジナルのコミュニティ・スクール像は、地域コミュニティが自分たちの学校をつくったり、実質的な学校運営に参加したりするものであり、「地域立の学校」などと表現をすることもできる。また、全国の全ての公立学校をコミュニティ・スクールにするのではなく、意欲・計画・人材などの条件が揃った地域が望む場合は、コミュニティ・スクールをつくれるようにし、画一的になりがちな公立学校制度の中で新しい選択肢となることが狙いとなっている。例えば、公立学校の教員や住民たちによる団体が発起して、廃校となった学校の施設などをそのまま利用してコミュニティ・スクールとして再出発させるといったことが出てくる可能性もある。このようなオリジナルのコミュニティ・スクール像は、アメリカの「チャータースクール」とよく似ている。チャータースクールは、1991年にアメリカで誕生した新しいタイプの公立学校で、「こんな学校をつくりたい」という地域の保護者や教師が学校の設立を申請することで、公立の学校ができるというシステムである。チャータースクールの特徴は、誰にでも学校を創設できる、運営は基本的に自立的である、そこを選んだ教育者たちが教職員となる、満足な成果を上げなければ閉鎖されることに従わなければならないといったものである。つまり、公立学校でありながら、私立学校のような要素がある学校である。

「チャーター」とは特認の許可状のことであり、州の教育委員会その他の公的機関から出された「チャーター」をもとにチャータースクールは運営される。契約書の中で、チャータースクールはどんな形で子どもたちの学力向上に責任を持つのかを具体的に明記され、それを実現できない場合はチャーターを破棄し、チャータースクールは閉校にいたる場合もある。アメリカにおいて、チャータースクールの数は1991年以来、飛躍的に増えており、このチャータースクールの拡大の背景にあるのは、官僚的で画一的に運営される公立学校や、その全面的な民営化(私立学校やバウチャー制度[5])といったアメリカの従来の教育システムに対する不満があると考えられる。

画一的に運営される公立学校と裕福な層にだけ許される私立学校という二者択一に、「私立学校的な特徴を持つ公立学校」という新たな選択肢となったのがチャータースクールであり、アメリカの公教育に新たなモデルを示したものだった。

 


資料③ チャータースクールの基本データと実績[6]

 

・学校数:2996校(全公立学校数の約3.2% 2004年)

・児童・生徒数:69万人(全公立学校生徒数の約1.4% 2004年)

 

・『悪条件にかかわらず健闘 ランド研調査で判明』(2003年)

チャータースクールが財政難、低学力の生徒を引き受けている実態にもかかわらず、通常の公立校並みの実績をあげていることが、米カリフォルニア州の委託を受けたシンクタンク、ランド・コーポレーションの調査で明らかになったとニューヨーク・タイムズ紙が報じた。それによると、同州のチャータースクールは、他の公立校に比べ、財政的に冷遇されていること、教員免許を持った教師が少ないこと、入ってくる生徒が貧困層・低学力の子が多いなどの悪条件にもかかわらず、他の公立校とほとんど差のない結果を出している。カリフォルニアのチャータースクール在籍者数は、全米60万人の4分の1を占めており、今回の調査結果は、全米に通じるとランド・コーポレーションでは言っている。

 

・『チャータースクール、学力テストでも優位 マンハッタン研調査で判明』(2003年)

チャータースクールは学力標準テストで、ふつうの公立校をわずかながら上回る成績を収めているという全米規模の調査結果が、マンハッタン研究所より明らかにされたとニューヨーク・タイムズ紙が報じた。それによると、マンハッタン研究所の調査は、全米のチャータースクールのほぼ5分の1にあたる600校が対象とし、2000年から2003年までの州学力標準テストの結果を通常の公立校と比較した。その結果、チャータースクールの生徒は読みで2%、算数(数学)で3%、通常の公立校の生徒を上回った。同研では、チャータースクールには危機に立つ子どもたちが集まっているにもかかわらず、健闘している姿が確認されたとしている。

 

・『ふつうの公立校上回る学力向上を達成』(2003年)

米スタンフォード大学フーバー研究所が、カリフォルニア州における全公立校の標準テストの成績を分析したところ、チャータースクールの生徒は通常の公立校の生徒たちを上回る学力の伸びを示していることがわかった。しかし、チャータースクールとそれ以外の通常の公立校との平均点の比較では、チャータースクールが下回っている。これは、チャータースクールが通常の公立校でついていけなかった生徒を数多く受け入れているためとみられる。ロサンゼルス・タイムズ紙の報道(2003.6.18)によると、フーバー研の研究チームは、1999年から2001年までの3年間における、APIテスト(学力標準テスト)の推移を調べた。その結果、チャーター・ハイスクール(チャーター高校)の生徒はこの3年間に37ポイントも学力を伸ばしたのに対し、その他、ふつうの公立校では18ポイントの伸びに留まった。しかし、2001年時点での平均点の比較では、ふつうの公立校が635点だったのに対し、チャーター高校は612点に留まった。チャータースクールの学力の伸び率が通常の公立校を上回ったのは高校レベルに限らず全体的な傾向だが、小学校レベルではその差は縮小している。


 

このように、アメリカでは NPO や企業が学校経営に実質上参入するというケースが増えているという事実があり、日本でも、このオリジナルのコミュニティ・スクール像が実在化すれば、学校経営に熱意をもつ団体がコミュニティ・スクールを発起し、運営スタッフやカリキュラムを提供するということは十分に考えられる。そのような場合に学校経営の主体となり得るのが、私立学校、不登校児童の受け入れなどで実績のあるフリースクール、インターナショナルスクール、学習塾などだろう。




第三節 コミュニティ・スクールとこれまでの公立学校の違い

 

 第二節で扱った「オリジナルのコミュニティ・スクール像」の一部を反映した形で、2004年の通常国会で、地教行法(地方教育行政の組織及び運営に関する法律)という法律が一部改正され、「学校運営協議会制度によってできたコミュニティ・スクール」(以下、「コミュニティ・スクール」)の実現が可能になった。このコミュニティ・スクールは、区市町村などの自治体が設置する公立学校である。しかし、通常の公立学校とは学校運営への住民参加という点でかなり異なる。ここでは、コミュニティ・スクールと通常の公立学校との違いについて扱っていきたい。

 コミュニティ・スクールには、学校運営協議会と呼ばれる組織が設置される。この学校運営協議会には、協議会の一員として地域住民や保護者が参加することになっているが、具体的な構成や人選は教育委員会が決めることになっている。この学校運営協議会を通じて、地域コミュニティが学校の運営に積極的にかかわっていくことになる。そのかかわり方として法律に定められている主要なものが、「校長が学校の教育方針を作成し、協議会の承認を受ける。」「協議会は学校の教職員の採用について、任命権者に意見を言うことができる。任命権者は合理的理由がない限り、協議会の意見を採用する。もし採用できない場合は、任命権者は協議会に対して説明責任を有する。」といったものがある。

学校運営協議会は、学校の基本方針を承認し、その方針に従って教職員の採用についてもかなり深くかかわることができる。つまり、地域住民や保護者はこの学校運営協議会を通じて学校運営に関してかなりの権限を実質的に持つことになる。また、それだけ大きな責任も負うことになる。

PTAや学校評議会[7]では、親が学校に意見を言う機会はあったとしても、その意見が学校によって採用されるというきまりはない。学校評議員の場合は、それぞれの評議員の意見を「伺う」といったものであり、もともと校長の人選によって依頼された人物であるので、校長に対してどのくらい率直な意見を言えるものかという疑問が残る。しかし、学校運営協議会は、教育委員会が決めた規則によって選ばれた人物による公的機関であるので、学校運営協議会への説明が不十分であれば、基本方針が承認されないという可能性もあり、学校運営協議会は、校長に対して一定の権限を有するということになる。

また、これまでのPTAや評議員では、地域住民や保護者が教員採用についてかかわりをもつということはなかった。校長も、意見具申という形で希望を出すことはできても、それが実際に任命権をもっている都道府県教育委員会によって採用される保証はない。しかし、コミュニティ・スクールの場合は、学校運営協議会を通じて地域住民や保護者の代表が教職員人事に直接的にかかわれることが大きな特徴である。教員の採用について、学校運営協議会がどのように関与するかについては、コミュニティ・スクールを指定する地方教育委員会が規則(学校運営協議会規則)をつくって定めることになっているが、人事等の問題は、今後さらに検討する必要があるだろう。

基本原則は、学校長が学校運営協議会と協議の上、学校の中長期的方針を作成し、それを推進するにはどのような人材が必要かについての「要綱」を作成することで、人事は原則その要綱に沿って進められるという形になるが、人事に関する最終決定は、現場責任者である校長が行う。その上で校長が、学校運営協議会になぜそのよう決定をしたかを説明し、承認を得ることになる。これは、健全な経営システムをもつ私立学校では、通常行われている方法である。私立学校の場合、住民参加ということではなく、学校や法人の理事会が学校運営協議会の役割を果たす。校長が全てを決めるのではなく、学校運営協議会が確認し、承認するという手続きがあることで、教員の採用がより客観的になり、それだけ正当性が確保できるようになる。また、人選に地域住民や保護者がかかわることで、採用される教員にも地域に住む人々の姿が伝わり、地域社会との間が鮮明になるという効果も期待される。そのような手続きを経て、学校運営協議会は学校の教職員の採用について、任命権者である都道府県教育委員会に意見を出すことになる。また、都道府県教育委員会は、その意見を尊重しなくてはならない。

このように、教員の採用に地域住民や保護者がかかわるということは今までにはなかったことであり、今後どのような影響として表れるのかを慎重に見ていきたいと思う。いずれにしても、教員が誰のための存在なのか、どのような力を評価するのか、誰にとって「優れた人物」であることが重要なのかを、しっかり検討する必要があるだろう。




[1]金子 郁容(かねこ いくよう)

1948年生まれ。

元慶應義塾幼稚舎舎長。

現在、慶應義塾大学大学院総合政策学部政策・メディア研究科教授。


[2]鈴木 寛(すずき かん)

1964年生まれ。

通商産業省官僚。元慶應義塾大学助教授。元灘中学校・高等学校教諭。

現在、民主党参議院議員、文部科学副大臣。


[3]「文部科学省ホームページ」より


[4]「文部科学省ホームページ」より


[5]私立学校の学費など、学校教育に目的を限定した「クーポン」を子供や保護者に直接支給することで、私立学校に通う家庭の学費負担を軽減するとともに、学校選択の幅を広げることで競争により学校教育の質全体を引き上げようという、私学補助金政策。


[6]参考文献

『チャータースクールの胎動』青木書店

チェスター・E・フィンJr. ブルーノ・V・マンノ グレッグ・バネリック 高野良一(監訳)

『チャータースクール』一光社

ジョー・ネイサン(著) 大沼安史(訳)

教育改革リサーチ研究所(http://homepage2.nifty.com/irer/home.html


[7]現行の幼稚園から高等学校までの学校を、地域社会に対してより開かれたものにしていくために、学校の教職員に地域代表者を交えて話し合いが行われる会議体のこと。




6 月
13

実習報告

Posted by a6hootazemi in たっち, 未分類

こんばんは! お久しぶりです。
もう実習が終わった人も、実習真っ最中の人も、とても充実した毎日を過ごしているみたいですね。

僕も昨日、無事に4週間の実習が終わりました。あっという間でしたが、充実した4週間を過ごすことができました。

実習先の学校は、児童や先生方がとても楽しそうにしている学校で、子どもたちは、自分を「かっこいい先生」なんて言ってくれる優しい子たちでした。(笑)
いっしょに鬼ごっこやドッジボールで遊んだり、毎週金曜日は先生方とバレーボールをやったりするなど、とても楽しい毎日でした。

最終日の昨日は、5時間目に研究授業がありました。
5時間目(一番最後)が研究授業だったため、4時間目にクラスの子どもたちとのお別れ会があったのですが、子どもたちがまさかの号泣をしてくれて、研究授業を前に自分も子どもたちもしんみりした気持ちになってしまいました。
そんな中迎えた研究授業ですが、子どもたちは気持ちをスパッと切り替え、とても協力的に授業に臨んでくれました。(詳しいことはまた大学で報告させていただきます。)

大学からは、皆さんご存知のA先生が、遠方からはるばる授業を見に来てくださり、その後の協議会でも貴重な意見をいただきました。

途中、運動会が悪天候に振り回されて2日やることになるなど、予想外の日程変更もありましたが、無事に実習生活を送ることができたのは、指導教諭の先生を初め、実習先の先生方の御配慮があったからだと思います。

今はそうしたことに感謝しつつ、学校でまた皆さんに会えるのを楽しみにしています。(たっち)


5 月
15

緊張…

Posted by a6hootazemi in たっち

さっきニュースで「エコポイント」についてやっていました。今日から始まったそうですね。

エコポイントは、消費電力の少ない冷蔵庫やエアコン、テレビなどの省エネ家電を購入した場合に購入額の5%をエコポイントとして貰うことのできるというものですが、そのポイントの使い道はまだ未定だそうです。一体どんな事に使えるようになるのでしょうか。僕だったらそのまま現金に交換してくれるのが一番ありがたい気がします。

いよいよ来週から実習ですが、2年生のクラスにお世話になることになりました。低学年のクラスということで、生活科の授業を見ることがとても楽しみです。実習中に運動会も経験できるので、子どもたちが一生懸命頑張る姿やエネルギーを生で感じてきたいと思います。

実習はとても楽しみですが、緊張が半端ではありません。

でもここの書き込みを見ていると、なんだか勇気がわいてきます。

もう実習がはじまっている人もこれからの人も、お互い頑張りましょう!(たっち)


5 月
8

あと10日

Posted by a6hootazemi in たっち

こんばんは。

先日、4月から就職して一人暮らしを始めた弟がGWを利用して帰ってきました。

弟とは今までずっと相部屋で、一緒にいる時はよくケンカや言い争いをしていたのですが、しばらく会わないとやっぱり心配になってくるもので、元気そうな顔を見た時は安心しました。

自分より一足先に社会人となった弟に負けないように、僕も頑張りたいと思います。


さて、今日で教育実習まであと10日となりました。

最近、教育実習へ向けて体を朝型にしておきたいと思い、朝のジョギングを始めました。朝は少し寒いですが、何日か続けていくうちに朝起きるのが少し楽になった気がします。

11日には実習先との打ち合わせで、その次の週から実習開始です。

大学生活の中で一度しかできない体験からたくさんのことを学んでこれるよう、心して望みたいと思います。(たっち)


4 月
24

お酒は怖い…

Posted by a6hootazemi in たっち

SMAPの草なぎ君が公然わいせつ容疑で逮捕されてしまいましたね。

そんな事をするような人にはとても見えないので、昨日のニュースを見て驚いてしまいました。

普段はとても紳士的に飲んでいたそうなのですが、ちょっと魔が差してしまったために大変な騒ぎになってしまって、なんだかかわいそうです。

今回の草なぎ君の一件は僕も他人事とは思えないし、お酒は飲み方次第で楽しいものにも恐ろしいものにもなってしまうので、注意しながら飲みたいと思いました。(たっち)


4 月
18

東京五輪

Posted by a6hootazemi in たっち

おはようございます。

昨日投稿が上手くいかなかったので、今書き直しをしています。

今、IOCの調査委員会が2016年のオリンピック開催地の選考のため東京に来ていますね。
ライバルはシカゴ、マドリード、リオデジャネイロだそうです。

東京が売り所にできるのは、最先端の技術が揃い、治安も安定し、交通の便が良いため移動がコンパクトにできるという点ではないでしょうか。

しかし、オリンピックに大量の税金を使うより他のことに使うべきだという意見もあり、他の3都市に比べて地元の支持率が最下位だという点が懸念されているようです。ニュースでも、オリンピック招致に反対する団体がIOCの視察の時にデモをする映像が流れていました。

僕は是非東京で開かれるオリンピックというものを見てみたいのですが、今のようなご時世では、都はこうした意見にも耳を貸さなければいけないと思います。

こうした問題も抱えたオリンピック招致活動ですが、今後どのように進んでいくのか、期待を胸に秘めながら見ていきたいです。


気が付けば今日で教育実習まで丁度1カ月になりました。

実習まで何をしていけば良いのか、頭はテンパっていく一方ですが、まずは春休み中に完全に夜型になってしまった体を、朝型に変えていきたいと思います。(たっち)


3 月
27

オランダ

Posted by a6hootazemi in たっち

こんばんは。またまたご無沙汰してしまったたっちです(汗)

今日、今週の月曜日に最終回を迎えた「あいのり」という番組をビデオに録画していたものがあったので、それを見ていました。

「あいのり」といえば、男4人と女3人の若者がラブワゴンという車に乗りながら、世界中の国々を回り、真実の愛を見つけるという番組ですが、最終回に出てきた最後の国がオランダでした。オランダについては先生の授業で聞いていたこともあり、何が出てくるのか楽しみにしながら映像を見ていたわけですが、授業で聞いた水をくみ上げる巨大な水車小屋や、アムステルダムの運河に囲まれたきれいな街並みが映っていました。その中で驚いたことが、ラブワゴンを運転する現地ドライバー(オランダ人の男性)がメンバーに「恋人を紹介するよ!」と誘い、家を訪ねたところ、中から眼鏡をかけたオジサンが出てきたことでした。そこにはもう一組の女性同士のカップルもおり、そのカップルは結婚をしている上に子どもまでいました。大麻や売春を合法化するなど、日本では考えられない政策をとっているオランダですが、世界で初めて同姓結婚を認めた国でもあるようで、さすがは「自由と寛容の国」だなと思いました。

それと同時に、先日別の番組でやっていたオランダのワークスタイルについても思い出しました。(サキヨミ「“奇跡の国”でみた働き方…お金と時間、大切なのは?」)

日本では、正社員がフルタイムで働く労働が一般的で、非正規やパートタイムの人とは賃金にも格差がありますよね。ですが、オランダではパートタイムで同一労働、同一賃金という形が広く普及しているようで、様々な職業が仕事を分け合っているのだそうです。警察官や教師でパートタイムの人もいました。

このようになったのは、1980年代に失業率12%という深刻な不況に陥ったことが原因で、1982年の「ワッセナー合意」によってワークシェアリングが始まったそうです。しかし、はじめは今の日本のような雇用形態による賃金の格差のため、ワークシェアリングはなかなか広まりませんでしたが、10年をかけて格差をなくし、どの職場でも同一労働・同一賃金になったのだそうです。つまり、仕事の内容も賃金も同じなので、違うのは一週間で何時間働くのかということだけだそうです。(ちなみに、今の失業率は2%だそうです。)

街頭でインタビューにこたえていた人はほとんどの人が週休3~4日で、中でも「僕には子供が2人いてたくさん稼ぎたいからフルタイムなんです。1人だったら週3日働けば十分ですよ」という発言や、「自由な時間を得るかお金をもっと稼ぐか、全ては自分の選択です」というのが印象的でした。

このようになると、自分の時間や家族と過ごす時間も増えるので、お父さんが子どもを学校に迎えに行ったり家事をしたりすることもオランダではよくあるのだそうです。

このようなオランダの姿を目にしながら、オランダは日本よりもずっと自分の生き方の選択肢が広く、より充実した生き方ができる国のように見えてなりませんでした。

今の日本では働いても働いてもギリギリの生活をしている人がたくさんいるのに、オランダでは何故このような暮らしが可能なのでしょうか。不思議です。 (たっち)


ホットワード 文教大学 人間科学部 太田 いいんちょう
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